その犬の歩むところ

著者 ボストン・テラン
文春文庫

ギヴという名の犬が主人公。と言っても、語り手は別にいる。9.11の後イラク戦争に志願、戦友を失い、自分も怪我、深く傷ついた心は自殺に向かいながら車で走っていた。危ういところで傷だらけの犬に出会い、その犬ギヴを助ける、ディーン・ヒコック。

ギヴが旅して生きてきた場所、そこにいた人間たち。

ひどい、悲しい出来事も起こる。けれども。

戌年に読んだ良質な犬の物語。ボストン・テランのものは「神は銃弾」「音もなく少女は」に続いて3作目。タイトルがいつも詩的なのは、原題がそうなのかな?ボストン・テランという人は覆面作家なのだそうだ。
犬好きな人ならもちろん、たとえ猫派でもウサギ派であろうとも、終わり近くにはウルウルすると思うよ。

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