「カッコいい」とは何か

著者 平野啓一郎
講談社現代新書

カッコいいという言葉が一般的に普及したのは1960年代であり、現代語辞典に登場するのは90年代になってからの事なのだそうだ。恰好がいい、と言うのは江戸時代からあった言葉だが、意味合いが少し違う。
が、カッコいい・バッチリ・いかす(知らなかったら石原裕次郎の映画見てね)などは軍隊で使っていたのだそうだ。安岡章太郎と大野晋の対談で、安岡が話しているという。ほーお、である。

ロック、ジャズ、美術、車、ファッション、デザイン、文学、などなど広汎な分野にわたるこの作家の関心、知識には今回もまあ驚きますよ。マイルス・デイヴィスのファンだというのはなんとなく見聞きしていたけど、ロックからクラシックまで音楽と言うジャンル一つ取っても広範囲にわたる。
それはさておき。
今まで、何に対して、誰に対して、カッコいい!とつぶやいた、あるいは叫んだかな?
最近、カッコいい!と思った対象は?
誰かと、そんな話をしてみたくなる。それぞれ全く異なるのか、どこかが一致するのか。

言語として、近い意味合いの、クールとかヒップとかダンディとかの言葉が紹介されているのだが、クール・ジャパンなどと使われている『クール』は今も生きている。ヒップは死語となり、ダンディは、日本では今では舘ひろしの形容専門のような感じであるが存在している、けれど、フランスでは死語だって。

現象として戦慄を感じるしびれると言う体感と共にカッコいいはある、と言うのはそりゃそうだね。で、マイルスやボードレールは『カッコいい』名言を残しているのだそうだ。カッコいい の例にジャズミュージシャンと詩人が並ぶのさ。

私はこの作家をSNSでフォローしていて、彼のものの考え方には共感しているのだが、今のところ良い読者にはあらず。3冊ぐらいしか小説を読んでいないし、『決壊』は途中で放棄したまま積んである。が、ゆるゆると読んでいくかもしれない気分であります。

コメントをどうぞ

コメント(*必須)

CAPTCHA


*