ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー

著者 ブレイディみかこ
出版社 新潮社

読み始めて、へっへっへ と我が身の笑い声、にんげんほんとにへっへっへなんて笑うもんだなあ と思いながら読み続けると、へっへっへ へっへっへ とまた笑っている私なのだった。

英国で暮らしているブレイディみかこさんと言う母親と、英国人の父親(ロンドンの金融街の銀行をリストラされたら、子どもの頃にやりたかった仕事だからと大型ダンプの運転手になった)との間に生まれた息子の、中学校生活の日常を描いたもの。
小学校はカトリックの公立で、お行儀の良い子たちと過ごしたこの子が、元、ではあるが「元底辺中学校」に入学し。入学前に親子で学校見学に行くと、音楽室へと進む壁にシャドウズ、アニマルズ、ザ・フー、ビートルズ、ストーンズ、ピンクフロイド、デヴィッド・ボウイ、ツェッペリン、それからセックス・ピストルズ!などのアルバムジャケットが並んでいた。レコーディングスタジオもあった。
なんて、私だってそんな学校があったら行きたい・・・と、いうのはちょっと待て、な、問題は何かとあるが、ともかく、息子はそこの学校に行きたいと言ったのだ。]

へっへっへという声が湧いてきていたのは入り口からしばらくのあたりまでで、レイシズム、貧富の差、などの問題が次々に出てくるし、日本ではまず見られない教育など、ふーむ、である。たとえばシティズンシップ教育。『エンパシーとは何か』シンパシーではなく、エンパシー。その問いに対し、息子が書いた答えが「自分で誰かの靴を履いてみること」だった。日本語では共感・感情移入・自己移入などと訳される言葉。
『タンタンタンゴはパパふたり』と言う絵本があるそうだ。動物園で恋に落ちた二羽の雄ペンギンが・・・つまりLGBT問題なのだがそのペンギンの話は実話に基づくものだって。そういうのを、日本の幼稚園で子どもに読ませるって考えられる?
なんだか、コロナウィルス問題でこのところ欧米ではアジア人差別が顕在化している話をよく見聞きしたが、あっという間にこのウィルスが世界に広がってしまい、差別もへったくれも無くなったかもしれない。まあ、さまざま差別する人はどこにでも湧く。日本ではネトウヨと呼ばれるお馬鹿ピープルが中韓に対して排他発言を繰り返している。差別語を投げられる側になった時の対応。

元々、「波」と言う雑誌を叔母が購読していて、叔母が読み終わった数冊を譲り受けてきた中に、この連載があったので、単行本になったら読みたいと思っていた。日本しか知らない日本人は読んでみてほしいような本です。子供や孫がいる人にはとくにお勧め。

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