アーモンド


著者 ソン・ウォンピョン
出版社 祥伝社

この表紙、書店でよく見かけたなあ、と思ったのは、友人から(勝手に)貸し出された数冊の中にあったからで。しばらく前の書店押し本だったはず。

失感情症・アレキシサイミア と呼ばれる,扁桃体が小さいことやそのほかの原因で、喜怒哀楽などをあまり感じない症状を持って生まれた少年。おばあちゃんは、少年を怪物と呼んだけれどそれは愛情を込めた呼び名だった。母親は、扁桃つまりアーモンドを。たくさん食べさせ、懸命に、喜怒哀楽愛悪欲の感情とは?の基本概念を覚えさせ、口角を上げたら笑う表情になるなど教える。

事件が起こる。おばあちゃんは亡くなり、母親は病院で植物状態となる。ほかにもかかわった数人が死ぬ殺傷事件。少年の誕生日でもあるクリスマスイブに。

もう一人、不運な生い立ちの少年が現れる。
そして、陸上少女も。

ストーリーはこの辺にしておこう。どっちに向かって行くか?
とてもうまい描き方・運びだと思ったら、この作家、短編映画の脚本などの仕事を先に始めていたそうだ。1979年ソウル生まれの女性。
まだ映像化されていないのかな?
昔々、一時的に、ではあるけれどおそらく他人様から見ればずいぶん無表情の少女であっただろう時期があることを思い出した。鬱傾向のため。

御都合主義な感はあるけれど、2020年の翻訳小説部門本屋大賞作品でしたか、なるほど。

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