ネプチューンの影

著者 フレッド・ヴァルガス
創元推理文庫

この作家を初めて知った。

警察物だが、主人公アダムスベルグ署長は突然のインスピレーションによって事件を解決に導いたりするし、その部下のダングラールは読書家で物知り度が過ぎるし、同じく部下のルタンクールは179cm体重110kgの身体に頭脳も観察力も攻撃力も備えている女性である。そのほかにも誠に異能と言いたい優れた能力を持つ老女が出てくる、いわゆるキャラの立った登場人物たちがぞろぞろ。
3つの刺し傷のある死体が発見される。ネプチューンの三叉槍(トリダン)で刺されたような刺し傷。
ダングラールの弟は、かつて恋人を同じような刺し傷で殺したとされ、追われた。ダングラールが犯人と確信する高名な判事はすでに亡くなっている。

その、犯人の件で、そりゃ無理だろー、どうやってその、と思われることとか、まあミステリーとしては問題がある、ので、好き嫌いは分かれるだろう。私はと言うと、久しぶりにちょっと追いかけたいシリーズにお目にかかった感。好きですよ、この突拍子もなさ、なにしろ女性たちが魅力的過ぎる。『ミレニアム』のリスベットとどっちが?っていうもはや手も震えている天才ハッカーの老婦人とか。
パリ十三区警察署長がカナダのケベックに出張する話で、ケベックと言えばフランス語圏だが、そんなに妙な訛りがあるのか?パリの住人から見ると。古語っぽいのか?そこの翻訳もう少しなんとかならんかったかなあ・・・。

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