三体

著者 劉慈欽
出版社 早川書房

数年前から評判は聞こえていた。
三部作、単行本で5冊。文庫に入ってから読むつもりだった。
テレビ番組で、読書芸人さんたちが口をそろえて、あれは面白いと言っていたのだ。
読み始めることとなった。

文化大革命の時期の中国に、地球外生命体を探す基地がひそかに存在した。
紅衛兵によって物理学教授であった父を殺された女子大生葉文潔が、そこにかかわることとなり、秘密裏に地球の情報を宇宙に向けて発信しはじめる。
と、いうところから始まり、三体人がそれを受け取り。

三体世界は太陽が3つある非常に過酷な環境にあり、三体星人は脱水して危機の時期を乗り越えるのだ。

で、彼らはもっと生存環境の良いところを求めていたわけだよ。

地球では、環境破壊など地球の在り様に不満がある人々が、地球三体組織というものを作り、三体世界の文明を取り入れようとしている。

三体が、地球を乗っ取るために地球人類を滅ぼしに攻めてくることが、ある日わかる。が、三体世界から地球まで到達するのに数百年かかる。そこで。

物理について一から教えてくださいませんか、いや、ゼロから、と、思うものであります。ちゃんとした知識があれば、いろいろと突っ込みどころがあるらしい。11次元から2次元に展開させるとか、何のことやらわっからないことだらけなのだよ。

三体人のコミュニケーションは、思念がそのまま伝わるものなので、思ってもいないことを言葉にすることは無い。それが地球人と違うところで。そこを何とか、と、地球人は画策する。

田中芳樹の“銀河英雄伝説”とか、鹿児島は知覧の特攻会館とか、中国人作家の文章にホイと出てくるのはなかなかびっくりする。物理でいう陽子のなにやら変化形であるらしい智子(ソフォン)というちいさなちいさなスーパーコンピューターの、仮に実体化した姿(すみません、説明できなくて)の女性が、背中に日本刀を背負っているとか。キル・ビルか?

読み始めた時は、ロシアとウクライナの問題は起こっていなかった。
すごく面白い話だけれど意味不明すぎて始終前に戻って読み返したりして、時間がかかっているうちに、戦争が始まった。ので、宇宙戦争であろうと地球のどこか一部であろうと、戦争というものの在り方は同じだ、と、リアリティをもって感じられる気がする。

人間が冬眠する技術が開発され、さまざまな時代の人が同居している未来の地球、ということもなかなか荒唐無稽だが、シリーズ最後「三体Ⅲ」になり、その結末がどうなっているか?
壮大もここまで行くか!の素っ頓狂さ。

とにかく、宇宙には無数の〇〇人がいるらしいよ。
ネットフリックスが映像化するらしいけれど、どうやって?

三体1を英語に翻訳したのは『紙の動物園』のケン・リュウ、それから世界中いろいろな言語に翻訳され
ている。

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