三千円の使い方

著者 原田ひ香
中公文庫

人は三千円の使い方で人生が決まるよ、と祖母は言った。という始まり。
後にわかるが、この祖母の年齢は現在73歳、孫が中学生の時にその言葉を口にしているのだが、その孫・美帆は、現在OL。で、5歳年上の姉がいて、姉には子供がいる。ちょっと早めに結婚する家系?は、ともかく、令和の祖母の言葉かな?森光子さんぐらいが73歳の時に口にするなら自然だけど。
と、思って作者の年齢を調べたところ、1970年生まれ。ふーん。きっと若い女性の描くイメージだと思って読んだが。

御厨家のそれぞれの世代の、様々な形のお金との向かい方が短編の連作のかたちで描かれる。
クレジットカードを、キャンペーンでポイントが高くなった時を狙って作り、半年に一度くらい、まとめて退会する、なんて地道な稼ぎ方があるなんぞ存じませんことでした。

このおばあちゃんに近い年齢の私だが、イマドキ70代で何かしらの仕事をしている人は珍しくないと思われる。毎日出勤、8時間労働している人は少ないだろうけど。
そして自分がこの中で一番誰に近いかと言うと、何の計画もなく稼いでは使って年金も払わずに生きている男に…近い、情けない。

あちこちで書評を見たと、友人が読後に貸してくれたもの。ライトノベルな感じですぐ読める、そしてすぐ忘れる私であるよ。

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