別れる決心

監督 パク・チャヌク

出演 パク・ヘイル タン・ウェイ

切り立った断崖から転落した男。事故か、事件か、追う刑事、そして死んだ男の妻。刑事は、中国人である妻に、疑いの目を向けると同時に、関心を抱く。

不眠症の刑事、元看護士で、今は介護の仕事をしている美しい女。女の母方の祖父は朝鮮の独立運動家だった。

時間軸が揺れ、いつのことか事実なのか妄想なのか、追いきれない中で進んでいく。途中、王家衛か?と思ったのは先日『花様年華』を観たせい?マーラーが聞こえてくるあたりとか。

パク・チャヌク監督と言えば、『JSA』『オールドボーイ』『親切なクムジャさん』『お嬢さん』など衝撃的な名作を今まで観ている、それらと、ちょっと違う。何が、って、時空がとっ散らかって美しくてそりゃないでしょでそれでもつきすすんでしまう男ともっと遠くに突き破ってしまう女。と、述べてもたいして違わないじゃないかでもありますが。

突き進んだり突き破ったりする展開を追っている間に、結局事件のもとは何だった?となってしまった私ではありますが。私は湯唯(タンウェイ)のファンであり、この人あってのこの作品だったのだろうと思う、韓国のキム・テヨン監督と結婚しているから韓国語は流暢だし。彼女が着ていたワンピースが青に見えたり緑に見えたり、見え方が変わるというのが、悪い女であるのか必ずしもそうではない不幸な女と見るか、視点によって違うことの象徴となっている。互いが、相手への想いを募らせながら核心に触れぬのか、ファム・ファタールの網にかかったか。

スマートウォッチで録音するとか、スマホの翻訳機能を使うとか、新しい道具が出てくる。そして車の中でずっと監視し続ける従来の方法の刑事の姿。

いつかもう一度観たい映画でした。

 

 

 

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