あん
監督 河瀨直美
出演 樹木希林 永瀬正敏 内田伽羅 市原悦子
ちょっとびっくりするほど中高年女性観客が多かった。前後左右に客がいた劇場なんて久しぶり。小さい部屋ではあったけれど。
満開の桜の季節、小さなどら焼きやを営む男、店に訪れるのは近所の中学生の女の子たち。ある日、求人の貼紙を見たと、老女がやってくる。男は断るが、彼女は自分で作った粒あんを持って再度訪れる。おいしいあんだった。
手に障害のある彼女のつくるあんが評判になり、店は繁盛するが。
らい予防法と言う前世紀の遺物的法律が廃止されたのは1996年のことである。私自身は、それをさかのぼること十数年前に知った。教えてくれたのはマスコミ業界の人だったが、そこでは常識だったのだろうか。
年前に、ハンセン病の感染率は非常に低いものであり、劣悪な環境でしか感染することは無い、戦後の日本の混乱の中など、ということを知った。マスコミの仕事の人から。彼のいた社会ではそれは常識だったのだろうか。
樹木希林さんはもちろんとてもうまい。内田伽羅ちゃんはみずみずしい。永瀬正敏もいい。うるうるさせられる映画だ。…市原悦子さんは?浮いてるよねなんか。もっと淡々とそこにいる人で良かったんじゃないの?キャスティング。
そして、河瀨直美監督、あの、尾野真知子主演のころの、この作品、どこに連れて行かれるんだろう?という、ちょっと途方に暮れてしまう感が途中で流れる雰囲気が、懐かしい。どうしてこんなにわかりやすい作品、ちょっと饒舌な作品のほうに流れてきているのだろう。と言ったところで、彼女の作品を全部知ってるのか?という話なのだが。わかりやすさに文句を言いう筋合いのものでもないのだが。
サボる はもはや外国語由来と知らない人がいそう。沖縄はもともとは母音が3個、って…