恋人たち

恋人たちhttp://koibitotachi.com/
監督 橋口亮輔
出演 篠原篤 成嶋瞳子 池田良 安藤玉恵

ほぼ最後まで閉塞感極まれる状態、最後の最後に、ここに至るか…と、いう、その終わり方、結局のところ観た者に残す感覚。

橋口亮輔の作品というだけで、ほとんど知識のない状態で観た。
通り魔殺人で妻を失った男、雅子さまの追っかけをしていた平凡な主婦、同性愛者の弁護士。恋人たち、というタイトルに対応するのはこの三人、と、言うことになるが。タイトルのイメージからはかけ離れたものだ。

脇の人間たちに、あるいは主役たちの誰かに、しばしば失笑してしまう。あからさまな詐欺師、詐欺にやすやすと引っかかる主婦。愚かさ、下品さ。無神経さ。

『渚のシンドバッド』『ハッシュ』大好きな映画たち。『ぐるりのこと』も良かった。あ、『二十歳の微熱』なんてのもあった。この「恋人たち」は、観なくても良かったかなあ、とどこかで思ってしまうまでの閉塞感、救いの無い。それにしても、健康保険を一週間分発行するなんてことが実在するのか。払える金額次第で。
男の職場に、手を差し伸べてくれる様子の人間がいるけれどそれにも何か裏があるのか?と、観る側が勘ぐってしまう。

そうして、最後、タイトルバックの空、を見ながらなぜかなぜか、一筋の清涼感らしきものを、受け止めてしまうというこの、妙な裏切られ方。

2015年キネマ旬報日本映画ベストテン一位。でも、そうそうひとさまにお薦めしません。橋口亮輔監督はゲイの人で、いつもゲイの出てくる映画を作っています。今回の主役はほぼ無名俳優たち。生々しい。

コメントをどうぞ

コメント(*必須)

CAPTCHA


*