グレートウォール

監督 張芸謀
出演 マット・デイモン 景甜 ペドロ・パスカル ウィレム・デフォー アンディ・ラウ

万里の長城は、饕餮(とうてつ)なる怪獣から国を守るために作られた、と言う荒唐無稽な設定のお話。タオティエと中国語読みするようです。中国の神話上の怪物で、小野不由美の『十二国記』シリーズを読んでいる人ならなじみのある生き物ですね。

シルクロードあたりを旅していた傭兵団が、馬賊に襲撃され、なおかつ怪物に襲われ、男二人になってしまう。怪物の足の一部を切り取って生き残った。長城にまでたどり着いたが、禁軍にとらえられ。
中国唐代には火薬が発明されてた、という話ありますね。それを手に入れたい、金になる!と思った西洋人がいたと。
まあそうこうしているうちに怪物饕餮に襲われ、中国人兵士と共に戦うことになったのです。そこにはもともと英語圏の人間が先に住んでいたから、女兵士で英語を理解し話す人間もいた、という都合のいい話で。アンディさん演じる男も英語を話せる。

軍隊が、その役目によって鮮やかに色分けされていること、すんごい量の人間たち、どーっかで見たなー、この監督の金かかった大作映画の中のあれこれでさあ。既視感三昧。

んで、すんごい饕餮の群れ群れ。もう笑う。

色彩の鮮やかさに力が入って、肝心のテーマに収斂しない傾向は、この張芸謀監督が大作を撮る時に付き物です。それがハリウッドで大金かけて撮るんだから、まあだいたい期待値が低かった、でもこういう映画は映画館で観る物、と、3D眼鏡をかけて観ると、それはそれで楽しめました。そのアホみたいなスケールに笑うし。バンジージャンプスタイルで戦うし。

英語でtrust中国語でシンレンと言っていたのは、漢字で書けば信任、信頼がテーマなんだと思うけど、なんだかなあ。

ちょっと弱っちいお兄ちゃんはルハンだったのか。

観終わって劇場を出る時、後ろの青年二人が“面白かった”と言ってるのが聞こえました。良かった良かった。荒唐無稽が嫌いじゃない人間にはまあ楽しかったですよ。だけど、恐ろしくかけたであろうお金を回収して儲けが出たか?中華圏以外の国では?少なくともアメリカではコケたという話です。

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