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【元記事】高浜原発再稼働認めず=「新基準、合理性欠く」-仮処分決定・福井地裁

http://www.jiji.com/jc/c?g=soc&k=2015041400475

(2015/04/14-16:36)

運転停止中の関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)は安全性に問題があるとして、住民ら9人が再稼働の差し止めを求めた仮処分申請で、福井地裁は14日、関電に運転差し止めを命じる決定を出した。樋口英明裁判長は「原発の新規制基準は緩やかに過ぎ、適合しても安全性は確保されていない。新基準は合理性を欠く」と指摘した。決定はすぐに効力を発し、取り消しや執行停止が認められるまで再稼働できない。関電は決定に対し、異議と執行停止を申し立てる方針。

原子力規制委員会は2月、高浜3、4号機が新基準に適合するとの審査書を決定。関電は11月の再稼働を目指している。東京電力福島第1原発事故後、原発の運転差し止めを認めた司法判断は、同じ樋口裁判長が担当した関電大飯原発3、4号機(同県おおい町)判決に続き2件目。仮処分で差し止めを認めたのは初めて。

決定で樋口裁判長は、想定される地震の揺れ(基準地震動)について、全国の原発で過去10年間に5回、電力会社の想定を超える揺れが記録されたと指摘。関電は高浜原発で700ガルを想定したが、「基準地震動を超える地震が到来しないというのは、根拠に乏しい楽観的見通しにすぎない」と批判した。
 また、基準地震動を下回る揺れでも、耐震安全性が低い外部電源や給水ポンプが破損し、「冷却機能喪失による炉心損傷に至る危険性がある」と述べた。
使用済み核燃料についても、原子炉格納容器のような堅固な施設に閉じ込められておらず、貯蔵プールの給水設備は耐震性が低いとして、危険性を認めた。
その上で、新基準は適合すれば深刻な災害を引き起こす恐れがないと言える厳格な内容ではなく、「住民らが人格権を侵害される具体的危険性が認められる」と結論付けた。