希望のかなた

http://kibou-film.com/
監督 アキ・カウリスマキ
出演 シェルワン・ハジ サカリ・クオスネマン イルッカ・コイヴラ

シリアから妹と共に国外へ出たけれども途中で妹とはぐれてしまい、たまたまフィンランドにたどり着いた男カーリド。難民申請をするけれども、結局受け入れられない。妹に会いたい一心のカーリドは、収容所を抜け出す。

妻とわかれ、死語とも辞め、ポーカーで一儲けしたヴィクストロムは、レストランのオーナーになる。ヴィクストロムの倉庫の前で野宿していたカーリドを、ヴィクストラムはレストランに連れてくる。

いつものカウリスマキ作品と同じく、出てくる人間たちはなぜか無表情で、どこへ行くのかこの映画、という雰囲気。
フィンランドですら、移民を排斥しようという極右の乱暴者たちがいるんだなあ。もっとも、日本にはほとんど移民受け入れ態勢自体が無いのだから、よその国のことは言えない。

レストランの従業員として拾われたカーリドだが、店は繁盛しているとは言い難く、唐突に寿司屋に衣替えするが、そこに出てくる寿司のお姿!握った寿司の上にワサビがてんこ盛り…。早々に元の姿に戻る。あちこちにとぼけた感じが配されているのも毎度。おじさんバンドが良い味。

カウリスマキ作品にはしばしば日本テイストが現れるが、まあこの寿司屋、フィンランドでも林立して流行っているらしいことだけはわかった。そこはかとなく小津安二郎を感じさせるが、実際監督は小津ファンだということだし、日本の何かが好きなのだろう。

そして、うーん、それは…というラストを、どう受け取るか?監督の飼い犬だという犬に寄り添われて、穏やかな顔には見えたけれど。

 

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