BlackBox

著者 伊藤詩織
出版社 文芸春秋

ジャーナリストを志す女性が、顔見知りであったTBSワシントン支局長にインターンシップの依頼メールを出す。紹介すると言われる。
一時帰国した男に誘われ、一緒に飲む。気が付いたらホテルで男が上にいた。デートレイプドラッグを使用されたと思われる。

ふざけた話が、事実であり警察に訴え、一時は逮捕一歩前まで行った。が、警察トップからストップがかかった。何故?男は政治家に顔が利くから。首相と一緒にしばしばお食事なんてことがよくある人だったから。「総理」と言う本を出しているから。

週刊新潮がそれを報じた。司法記者クラブで記者会見を行った。
でも、日本のTVでそれが問題とされたか?ほとんど無視されている。

私はこの本を早くに手に入れたのだが、あまりのことに読む進みことができなくて、あちこちめくってしばらくそのままだった。並みの女性なら目を背け目を閉じ逃げるしかないだろう状況を、克明に記し、追及すると言いう姿はもうそれだけでつらい。実際、似た男を見かけるだけでパニックに襲われそうになったようだ。

最近、BBCでこのことが取り上げられた。「Japan’s Secret Shame(日本の秘められた恥) 」というタイトルで。伊藤詩織さんが英語が堪能でジャーナリストとしての資質がきちんとある人で本当に良かった。

#me tooの運動が日本ではあまり広がらない。それどころか、この詩織さんの行動に対して女性の国会議員とか女性漫画家でひどい中傷をする人がいる。世にはびこるネトウヨの男達は言うに及ばずである。ハニートラップの汚名を着せる。
美人が得をするのは入り口だけのことであり、非常に美人で有能だったからこそクソな男の手にかかってしまったのに。ドラッグまで使う男はたくさんはいないかもしれないが、それに近い目に遭った人はたくさんいて、日本ではほとんどの女性は無かったことにしようと無理をするのだよ。露出狂に出くわしたぐらいでも声なんか出ないよ。そうそうぎゃあぎゃあ騒いだり泣いたりしない、感情が内側にめくれ混むことって珍しくない。あ、その後詩織さんが男にメールを送っているのは奇異に見えるかもしれないが、何かが麻痺してしまう、そういうことだと思う。そしてPTSDということになる。

若い女性に、できれば読んでみてほしい。そして、もしも運悪く自分がそういう罠に落ちてしまった時にどうするのが一番いいか、を知ってほしい。

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