侍女の物語

著者 マーガレット・アトウッド
早川epi文庫

そんなに古い時代ではない、おそらく21世紀初めの、キリスト教原理主義者が政権を獲った設定のアメリカであるらしいギレアデ共和国。
出産数が減ってきて、人類は先細り、ということを解決しようという手段は、SF小説ではさまざま目にしている。人間を少しずつサイボーグ化して長生きにするとか。ここでは、「侍女」と言うシステムが作られている。その名前はオブフレッドとかオブグレンなど、オブが付く。ofである。つまり誰々の所属、誰々の物。出産することが目的の、国家財産。妻という人はちゃんといる。ofフレッドであれば、両脚を開いて横たわるフレッドの妻のお腹に頭を乗せる形で重なって横たわり、フレッドと性交する。

オーウェルの「1984」とか、ハックスリーの「すばらしい新世界」とか、私が最後まで読むことができなかったディストピア小説に連なる物語。

数年前?十数年前?まで夫や子供と暮らしていた彼女は、男性中心で支配され、監視される社会の中で、服従しながらも自由になる機会をうかがっている。

最終章で、後の世、2195年のシンポジウムで、この時代のギレアデ研究について語られた資料として「侍女の物語」が存在するということになっている。

誇張した形だけれど、従軍慰安婦の時代から現在のme tooの運動まで、こういう、女性を性交なり出産なりの道具とするある種の男たちは無くなっていない。日本の政治家の言い草ときたら。
そして、ギレアデでも特権階級の人々にはある種の享楽が供されていたように、政治の中枢にいたら現在のこのコロナ禍でもすぐに入院できるんだね、一般の下々の者たちが入院できなくて何日も自宅療養を余儀なくされているのにさ。

WOWOWでドラマが放映されたり、映画化されたりしているそうです。

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