霧のごとく

監督 陳玉勳

出演 ケイトリン・ファン ウィル・オー 9m88

1950年代の台湾。台湾に於いて、1947年の2・28事件というものが起こり、1949年以降戒厳令が敷かれ、国民党政府が反体制派、民主化を望む人々に対して弾圧迫害投獄処刑を行使した時期があった。白色テロと呼ばれている。大陸で共産党に敗北して台湾に流れてきた国民党政府が、共産党の勢力が台湾にまで及ぶことを恐れたのだ。と、一言で言うとそんな事情になる、それを知らないでこの映画を観たら、なぜこんなことが?と意味不明なことだろう。その戒厳令が解かれたのは、なんと1987年7月のことなのだ。

その時代に、反政府活動をしたとして追われている兄が、捕らえられて台北で処刑されたことを知った少女、阿月(アグェーと字幕にはルビが振られていたが、なんだかそうは聞こえなかった)。少しばかりのお金を手に、兄の遺体を引き取ろうと台北に向かう。けれども引き取るには大金が必要なのだ。騙されて売り飛ばされそうになったけれど、人力車夫に助けられる。趙公道と言う名のその男は広東出身で、国民党の軍人だったが、故郷に帰るに帰れず、その日暮らしである。煙草を一本買う、という底辺の生活。

およそ理不尽なとんでもない暴力もあれば、台湾人らしい親切心も描かれる。

まだ捕まっていなかった兄が隠れているところに届け物などした時、兄が描いていた絵本、一滴の水がいつか水蒸気として空に昇り、雲になる、雨になって砂漠に雨を降らせることができる、という内容だった。趙公道の助けで姉に会う。姉のもとに最後に送られたのは、内容が少し違う絵本だったことを知る。

なんとか生き延び、年を経て・・・私が観た日の小さな映画館は、高齢の観客がほとんどだった。最後の方でうるうる、な、気配となった。年の離れた姉役の人は歌手でもあるという9m88と書きジウエムバーバーに近い発音で呼ばれるらしい、の歌声だったかな、エンドロールと共に流れる歌声が良かった。

日本は戦争に負けた国であり、1945年には世の戦争は終わった、と大概の日本人は思っていた。すぐ隣の朝鮮半島でも台湾でも、内戦や白色テロによってまだまだ銃で殺された、迫害によって虐殺された、と言うことが起こっていたのだ。主義主張の違いによって、政治のトップにある誰かの判断一つで、いつでも戦争は起こる、と、ここ数年で実感している。なんだか強そうだ、なにかやってくれそうだ、と選ばれたあの人やこの人が莫迦なことをしている。そうなるにも原因はあるだろうが、もうそろそろ、と。

コメント (2)

atcon2026年6月24日(水曜日) at 1:08 PM

今、「国旗損壊処罰法」についての国会中継を聴いているところ。
100均でも売られているという量産品の国旗について、議論しています。
今の政府は無茶苦茶、というかもう常軌を逸していると思う。
「国旗を大切に思う国民感情に反する行為に対して処罰したい」と言うのだけど、
私は、「現行憲法を大切に思う国民感情に反する法案を作る議員を処罰して」ほしいです。

ホントにもうそろそろ、どうにかならないかな。

aar2026年6月26日(金曜日) at 10:30 AM

国旗損壊処罰って、これが2026年の話とは!そもそも元旦だとか祝日に国旗を立てている一般の家は、現在ほとんど見ないけど。
そろそろ、だとして、では後継者は?自民党議員のすべてがお莫迦さんなはずは無いのに、中には憂えている人もいるはずなのに、相変わらず妙な名前が取り沙汰されている。

コメントをどうぞ

コメント(*必須)

CAPTCHA