海辺の一日

監督 楊徳昌エドワード・ヤン

出演 張艾嘉シルビア・チャン 胡茵夢フー・インモン 李烈リー・リエ

1983年作品。町医者の娘、佳莉、その兄、佳森。佳森には恋人・蔚青がいたが、父の選んだ相手と結婚する。恋人は台湾を離れ、オーストリアに留学、後に有名なピアニストになっている。

その蔚青が、台湾で公演することを知る佳莉。1953年うまれの張艾嘉だから83年には30歳ぐらいのはずだが、若い頃と実年齢ぐらいの時代が交錯しながら進む。

学生時代の蔚青が佳莉の家に遊びに行き、日本語で“おばさん”と呼ぶ。佳莉は父をお父さんと呼んでいる。後の時代に母親のことを“かあちゃん”と呼んでいる。住んでいる家も日本家屋風だ。1970年代以降でも、日本植民地時代のそういう呼び名は残っていたんだなあと思う。60年代あたりを舞台にした作品では耳にしたけど。ワンマンな父親像も、ちょっと上流の家庭では普通のことだったかもしれない。昭和の日本でドラマの中でちゃぶ台ひっくり返す親父いたな。それに台湾ではまだ戒厳令下と言う時代。

佳莉も父に結婚相手を決められるが、家出して恋人と結婚する。80年代、台湾でも24時間頑張りますか、の時代だったのだろう、次第に夫婦間のズレが広がる。

海辺の一日、というタイトルだから、その一日の出来事を描く映画かと思うと、大間違いなのだった。その日を境に、ということなのだろう。

久しぶりに喫茶店で蔚青と佳莉が会い、会わなかった時間に起こったことが語られていく。

楊徳昌監督は上海生まれで2歳で台湾に移住、台湾の大学を出てアメリカに留学、戻ってきたのは1981年、と言う人だ。海外から見た台湾、その変化がより強く感じられただろう。もっと長生きしてもっと映画を撮ってほしかったなあ。カメラが香港の王家衛作品で知られるクリストファー・ドイル初長編だそうだが、まだ彼の色の感じでは無い。

 

 

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