6歳のボクが、大人になるまで

6歳のボクが大人になるまで監督 リチャード・リンクレーター

出演 エラー・コルトレーン ローレライ・リンクレーター パトリシア・アークエット イーサン・ホーク

久しぶりに、まっとうに面白い映画を見た、気がする。

凄い企画だ。6歳の男の子が大学に進学するまで、家族4人(元・父親も含め)同じキャストで一つの作品を撮り続けるとは。

若くして結婚して、二人の子供ができて、離婚。母親は、大学に行ってより良い仕事に就くため、引越しを決める。別れた父親はミュージシャン志望だった。子どもたちにはよく遊んでくれるいいパパだ。

大学に行ったママには恋人ができ、結婚。新しいパパにも二人の子供がいて、楽しく暮らしていたが、やがてアル中の症状を見せ、乱暴がひどくなり、家族で逃げ出す。

ママは大学の教壇に立つことになり、また引越し。ボクは15歳。ママには新しい恋人ができた。パパにも恋人ができ、結婚。赤ちゃんが生まれた。

誕生日プレゼントに、パパからは自分で編集したビートルズにCD,パパとその新しい奥さんからスーツ、おばあちゃんから聖書、おじいちゃんからは散弾銃。パパは16歳になったらくれると昔言っていた車を売り払ってしまったけど。

散弾銃…か。代々伝わっているんだってさ。自分の身は自分で守るってアメリカ人だねえ。

そんなこんなな、家族の歴史が、それぞれの時代を表すゲームだとか、ハリー・ポッターの映画だとかの背景と共に描き出される。

初めのほうでは、ちょっと私の好みの映画ではなかったかな?という気もしないではなかった、のだが、いややっぱり、銀熊賞だけのことはありましたね。

それにしても、人生のパートナーを得ることは難しいものだね。決して悪い人では無い実のパパ、ちょっと見には知的で魅力的な男、悪い人では無いが生真面目で融通性に欠ける男、ママの人生に現れる男たちよ。そんな中で育っていくことも大変だね、娘、息子よ。子供が大人になっていくまでに、一つ間違えば、というたくさんの危機が転がっているものだね。

息子が旅立つときになってママが言う、私の人生何だったの、的なセリフがね、いやいや印象的。まあママだって本を執筆するという目的が今あるのだから、ちょっとセンチメンタルになっただけなんだけど、とてもよくわかる気がする。

おそらく、どなたさまでも、ちょっとややこしい目にあった子供でも、いい映画だと思いそうな、作品です。

コメントをどうぞ

コメント(*必須)

CAPTCHA


*