池井昌樹詩集
ハルキ文庫
また買ってしまった池井昌樹。ここで3回目の紹介になる。
現代詩文庫のものとずいぶん重なっているだろうし、実際見覚えのある詩がたくさん。
だってねえ、あの谷川俊太郎が、帯に“池井さんの詩は、ときどき私たちの心を貫いて、魂にまで触れてくる”って。すごくない?
初めて彼の顔を知ったし。なぜか(妻や子や、父母や祖母や、彼の詩にはよくでてくるからだよね)子供のころの家族の写真まで付いているし。二松学舎大卒だったんだ、そこに行っていれば会うこともあったかも、などどミーハーなことを思う。だけどその頃彼は太ってたんだよね、詩の中にもちらっと出てきたけど、巨漢だ、と、学生のころ彼のことを書いていた人がいた、秋亜綺羅という詩人。履歴の中にもその名前も出てくる。中学生のころ受験雑誌の投稿欄で知った池井昌樹、その後も詩誌「詩芸術」や「歴程」で見かけたものだった詩人。
『マチネの終わりに』で、出会いの初めから魂が寄り添っている恋を見たばかりだが。
池井昌樹は、その職場で出あったという奥さんとの結婚によって、今の彼になったのだろうと、その詩の中で言っているように、10歳年下の奥さんが彼をもう一度産んだのだと、わかる。だって昔、高校生の彼の詩も次々読んだもの受験雑誌で。暗い、ぬめぬめした手触りの。
略年譜によれば、1966年に第一作となる詩を(突然に)産み落とした後、白秋・朔太郎・達治・暮鳥・重吉・賢治・中也・心平・冬二・谷川俊太郎らを渉猟、と、ある。はあ、読んだ詩人たちだけはほぼ同じなんだけどねえ。
ひらがなの多い彼の詩に、ついうっかり自分でも・・・また書きたい気になりそうでそれが罪だ。
良き出会いのある人生っていいなと、素直に思っているこの頃であります。
「令和の昭和感」という表現に嵌りました。 なんかそういう感じ、日頃、感じること…