一瞬のイメージを捉えて、表現したかった。
眼前を一斉に無数の蝶が羽化して飛び立って行く様子。
その朦朧とする眩暈の向こう側に、陽炎のように揺らいでいる「わたくし」がいる。
イメージとは、切り取られた記憶の場面。
羽化したばかりの湿った蝶の翅が瞼をかすめ、瞬きをすれば、イメージは一瞬にして変わる。
そこに、ストーリーはない。
記憶の断片。瞼の裏の光と影。その中で、揺らいで薄れていく「わたくし」
という、コメントを書いたのですが、新聞には初めの一行しか載らなかったのでした。
「ヨコオタダノリさんの、ファン」というのだけは、予想以外のコメントとして載っていた。
作品について語るのは、言葉による後付けにしか過ぎないんじゃないかなと思っているので、それで良かった。
作品を作っている時には、もちろんこんな事は考えてはいませんけど。
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