監督 崔洋一
出演 松山ケンイチ 小雪 伊藤英明 小林薫 イーキン・チェン 大後寿々花
出だしの抜け忍カムイとそれを追う忍びたちの追いつ追われつの戦いシーンは、スタッフに程小東の名前があっても不思議はないぞ、という感じだった。ひどいシーンの連続なのだがわくわくした。なんだか妙な発声をする役者がいるなあと思っていてふと気付くと香港の鄭伊健(イーキン・チェン)じゃないの、こんなのっけから出てくるなんて、いかにも声優の吹き替え音声で!
それが、どうも、物語に入るとちょっと冗漫。
若いころ、周りには当たり前に忍者武芸帳やカムイ伝があったけれど、私は白土三平の熱心な読者ではなかった。原作がどのようにアレンジされているのか知らない。が、他人に対する猜疑心と信頼とのせめぎあいの描かれ方が薄くないかい?
女優たちがいい。大後寿々花、初めのほうにちょっと出てくる芦名星、怪演土屋アンナ、もちろん小雪さんはアクション頑張ってます。
伊藤英明は、肝心なところで台詞がうまくない・・・ので今ひとつ迫力に欠ける、と私は思うぞ。(関係ない役者を引っ張り出して恐縮ですが、小栗旬クンはそういう時うまいぜい!)
最後、ナレーションで説明するってのはどうなんだろう。わざとだか、なかなかチープなマンガチックな特殊効果の波に揺れる小舟。そこ、説明する?
字幕に“パンタ”と出てびっくり、あ、あの絵師のじいさん!そうだったか。パンダじゃないよ、古の“頭脳警察”のパンタ。知ってる人しか知らないでしょうが、ふ・ざ・けるんじゃないよやられるまえにやるのさ のパンタ。
松山ケンイチくんのさほど筋肉質でない体のほうが、アクションには向いているだろうと思う。しなやかに動けそう。下手に筋肉隆々ではアクションには邪魔になるだろう。
なにゆえ崔洋一と宮藤官九郎の共同脚本なんだろう。もっと崔洋一臭くてもよかったんじゃないかなあ。ちょっと不評だから続編は作られないかもしれないけど、私としてはイーキンとパンタも出演の続編を見たい。
追記 もう一人気になったのが、踊る男。もしやNHK教育“あさだからだ”に出てる人?と思ったらやっぱり森山開次だった。