MOVIE+BOOK - ただいま それぞれの居場所              

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ただいま それぞれの居場所

ファイル 173-1.jpghttp://www.tadaima2010.com/
監督 大宮浩一

平成22年度文化庁映画賞<文化記録大賞>受賞作品。

2000年の介護保険制度開始から、介護施設、利用者ともずいぶん増えた。けれども、制度には細かい規定があり、介護者がやっていいこといけないことなどの縛りも増えた。
その縛りを離れて、もっとフレキシブルな対応をできる施設を作った人たち、いくつかの施設、その利用者たちを見つめたドキュメンタリー作品。

認知症と言われる人たち(それを言うなら認知不全だよね、日本語として変でしょう)の、様々な姿。
何語?と思ったら戦時中パラオで過ごしたおじいさんの、歌、それを覚えてしまって一緒に唄う介護者。とっても丁寧にお辞儀して限りなく丁寧にお礼をいうおばあさん。若い男の人をみんなタカシと息子の名前で呼んだり、朝着替えさせるだけのことにまことに手がかかるセンセイ、お風呂から出てこない、夢を見ていたのが現実と混ざって・・・etc。見ている分にはかわいいとも思える。ああ、と共感もし、男性の介護は大変だろうなあと思う。いつの間にか涙してしまう。
まだ50代で、とても元気な人だったのに海外のマラソン大会で心筋梗塞を起こして、心身が不自由になった人も。


徘徊する老人は多い。けれどもデイサービスの規定では散歩はできないものらしい。どうもそうではないかと思っていた。私の母も徘徊型だから。施設の建物の中をぐるぐる回るだけなのね、母の場合。

縛られない介護をしようと思ったら、無認可にせざるを得ない場合もある。その場合、どうしても利用者の金銭的負担が大きくなる。それでも。別の施設では受け入れられなかったりしてやってくる。そういう人の一人が、施設でとても楽しく過ごしたある日、自宅に帰るのを嫌がった。もう一度施設に受け入れてもらった。そのとき、彼は「ただいま」と言って施設に入って行った、というエピソードが、タイトルの由来らしい。

介護している人に是非見てほしい映画なのだけれど、マルヤガーデンズのガーデンズシネマで4日までです。

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comment(0) 2011.03.01 14:34

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