MOVIE+BOOK - 海洋天堂              

Log

海洋天堂

ファイル 191-1.jpghttp://kaiyoutendo.com/
監督・脚本 シュエ・シャオルー(薛暁路)
撮影 クリストファー・ドイル
音楽 久石譲
出演 ジェット・リー(李 連杰) 文章 グイ・ルンメイ(桂綸鎂)

海に浮かぶボートに男二人、二人の足首を縄でつないでる、え、重石付けて、飛び込んだ!・・・えーっ・・・。

帰宅する男二人、親子であるらしい。直角に曲がったりする行動によって、息子はどうやら自閉症であるらしいとわかる。
よかった、そのまま天国へ、というわけでは無かったようだ。

父は肝臓癌で余命宣告されている。息子の母親は、息子がまだ子供のころに海の事故で死んだので、二人で生きてきた。父は水族館務めをしており、その水槽でイルカと泳いだりするのが好きな息子だ(なんで海で死のうとするかなあ、ねえ)。

死にそこなって、父は息子の受け入れ先を探しまわる。その一方で、卵のゆで方、バスの乗り方、服の脱ぎ方、ひとつひとつを息子に教えようとする。
父に好意を抱く隣人女性がいる。水族館にやってきた小さな移動サーカス団でピエロをしている女性と、息子は仲良くなる。

脚本を読んで感動したジェット・リーがノーギャラで出演したという。全くアクション無しの演技は、これが初めてだろう。

陳凱歌の、これも親子の愛情を描いた映画『北京バイオリン』の脚本を書いた女性シュエ・シャオルーは、学生時代に出会った自閉症児施設のボランティア経験をもとに脚本を書き、監督したのだそうだ。

障碍のある子供を持つ人は、どこの国でも同じようなことを思うだろう。でき得れば子より長く生きて面倒を見たい、でも自らが残り少ない命と知った時・・・。私には子は無いが、日々世話をする必要のある認知症と呼ばれる母がいる。なにがしか身にしみる。施設が見つかり、初めてそこで寝るとなったとき、手がつけられなくなる21歳の息子。認知症の大人でも、慣れないところではなかなか眠れないらしく、時にショートステイから不眠で戻ってくる母を思った。

地味だがいい作品だと思う。中華圏では有名なスタッフ、最後に流れる歌がジェイ・チョウ。が、日本では(鹿児島では)観客4~5人でしたよ、ガーデンズシネマ。

MOVIE
comment(2) 2011.08.24 16:06

Comment List

atcon 2011.08.25 00:19 edit

ジェット・リーってホントいい俳優ですよね。
予告編で見たとき、ジェット・リーの笑った顔が、あまりにも普通のオジサンぽくて、へえーこんな表情もするんだってちょっと驚いた。

あある 2011.08.25 07:58 edit

ジェット・リー48歳、メガネをかけて出てきた姿が、意外に(と言っては失礼)知的に見えた。ハリウッド映画では小柄なのが強調されるけど、中国映画ではほんとに普通のおじさんで。中国や台湾での観客の入りはどうだったのかなあ。“日本で海洋天堂を見る会”の方から、ウォーロードの時に書きこみをいただいてたけど、上映してくれてよかった。