MOVIE+BOOK - 蜂蜜              

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蜂蜜

ファイル 199-1.jpghttp://www.alcine-terran.com/honey/
監督・脚本 セミフ・カプランオール
出演 ボラ・アルタシュ エルダル・ベシクチオール トゥリン・オゼン

トルコ映画。
開始時間を間違って、今始まったばかり、というところから見ることになった。
男が、大きな木の枝に縄をかけて、ぐいと引っ張り、しっかりしていることを確かめ、上に登っていく。と、枝が裂け・・・(あ、と声を出してしまった)。そこで場面が変わる。

人里離れた、山の中に住む親子。父は養蜂家。高い木の上に蜂箱を仕掛けている。夢の話をしようとする小さな息子。父は、夢を他人に聞かれてはいけない、と言い、二人はヒソヒソと夢の話。
学校で、教科書を読もうとして、急に吃音になってしまう息子。

時系列がわからないまま、そして夢の世界なのか現なのかよくわからないまま、その世界に見入ることになる(のは私だけではないと思うのだが)。

蜂蜜が取れなくなり、父は森の中へ巣箱を仕掛けに行く。息子は声を出せなくなったまま。

夜、水の入ったバケツに、月が映っている。息子がそれを掬おうとする。水が揺れて映像はバラバラ。しばらく後また丸く映る月、そこに顔を突っ込む息子。

静かな、無口な、無表情と言うに近い映画。ちょっとアキ・カウリスマキ作品を思い出した。

帰ってこない父。母を励ましたくて、嫌いな牛乳を飲む息子、それに気づかない母。

どこからどうつながるのかわからないまま見ていても、これがとても優れた作品であることはわかる。え、ここで?という終わり方をする。

ユスフ(息子の名前)三部作というものがあるそうだ。第一部大人のユスフ『卵』第二部青年期のユスフ『ミルク』とあって、これが三作目。第60回ベルリン映画祭金熊賞受賞。

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comment(0) 2011.10.04 13:40

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