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監督 ピーター・チャン(陳可辛)
出演 ドニー・イェン甄 子丹() 金城武 タン・ウェイ ジミー・ウォング 姜武
山村の美しい風景から始まる。例えば『山の郵便配達』のような叙情的文芸作品になってもおかしくない。
二人の余所者がやってくる。あ、と声を上げてしまったのは、小柄な方は谷垣健治(香港をはじめ中華圏及び日本で活動しているスタントマン・アクション監督)だと気づいて。
強盗を働こうとする凶悪犯二人、その場に居合わせた紙職人リウ・ジンシーが巻き込まれ、一人にしがみついたまま必死に抵抗し、何かの弾みでならず者二人とも死んでしまう。
捜査官がやってくる。検死を行なった捜査官シュー(中国語のフリガナのようなものではXUと表記してシューと発音する、それが日本語タイトル捜査官Xの由来)、シューは、死んだ一人の目が充血していることに注目する。もしやリウ・ジンシーは武術の達人なのではないか?こめかみのツボを心臓停止に至るまで的確に攻撃したのでは?
シュー捜査官の脳内妄想のシーンがえげつない。私は映画情報を細切れに収集していたから見知っていて、ああこのシーン、と思うのだが、初めて見た人には…どんなもんでしょう。
しつこい脳内妄想にも理由がある。かつて情けをかけた結果、まだ子供だった犯人養い親を死なせ、自分も鍼によって生き延びる身になったのだ。
素晴らしい、面白い、どのキャスティングも良い、この映画のアクション監督でもある甄 子丹が普通の人を演じるのを初めて見たかも。シュー役の金城武は、この映画の中で四川訛りてしゃべることを提案し、明らかに訛った中国語をしゃべっている。『武侠』という原題にふさわしいアクション映画でもあり、ドラマもあり、親子の葛藤あり。そしてあー無理に時間作ってジミー・ウォング『片腕ドラゴン』見といてよかった!という、オマージュシーン有り。
ピーター・チャン監督、あなたはすごい。
atcon 2012.05.09 22:37 edit
血なまぐさい格闘場面ではかなり目をつぶってしまったところもあるので、映画の約2割くらい見てないかも。たぶんすごくカッコいいアクションシーンで、これが見どころだっただろうと思うともったいないことです。
「捜査官X」というタイトルからは想像できないストーリーで、「こういう映画だったのか!」と驚きがありました。
風景も全体の色合いも、映像が美しかったですね。タン・ウェイもきれい。
金城に超短髪と丸眼鏡は似合わないけど、まあ、しょうがないか、そういう役だし。
何といっても、やっぱり中華圏映画は面白い。