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拝啓、愛しています

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http://www.alcine-terran.com/haikei/
監督 チュ・チャンミン
出演 イ・スンジェ ユン・ソジョン キム・スミ ソン・ジェホ

イ・ビョンホンの『王になった男』の監督が、その前に撮った作品。

明け方の、路地裏の坂道を古いバイクで牛乳配達をするマンソク。すれ違いざまにリヤカーで紙ゴミ回収をしている老女が転んだことをきっかけに声を交わすようになる。
彼女も利用している(リヤカーを置いて)駐車場の管理人グンボンの妻は認知症。
ある日、遅刻して慌てて家を出たグンボンが、門に鍵をしなかったために、認知症の妻が外に出ていき、マンソクと出会う。マンソクは彼女をバイクに乗せて家を探し回ることとなる。

ふた組の老人たちの、純愛の物語。

妻を癌で亡くして、子供や孫と暮らしている男。片田舎で貧しく育ち、駆け落ちしてソウルに出たけれど、子も夫も失い、一人暮らしをしている老女。子供たちは皆結婚で家を出て行き、認知症の妻を甲斐甲斐しく世話しながら二人で暮らしている夫婦。
徘徊していた妻をやっと見つけて、おぶって帰る姿を見て、“あんな夫婦になりたかった”という女の言葉が、いかに苦労してきたかを伝える。

ふた組が、それぞれに選ぶ道について、納得は、いかないけれどそれでも、わからなくはない。

私自身、認知症の親と暮らしている、独身者である。あっちの立場、こっちの立場共に、わかる(あー、でも私はあんなふうに穏やかに辛抱強い老女にはなれないからなー、気は悪くないけど態度の悪いじいさんと知り合ったりはしないよなー、と思うものであった)。

ハンカチを手にご覧下さい、という、しみじみ映画でした。老いらくの恋 なんていうニュアンスはほぼ無くて、ほんとに純愛。
それにしても、韓国ドラマでは息子の結婚となると必ず親と同居することになるし、そうしないというととんでもない親不孝者扱いの悪口雑言三昧だが、映画は別の現実の姿を描くものだな、とも思われ。

原作はベストセラーマンガで、ドラマにも舞台にもなっているんだって。

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comment(0) 2013.05.29 19:52

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