MOVIE+BOOK - 女帝エンペラー              

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女帝エンペラー

ファイル 55-1.jpg

http://jotei.gyao.jp/
監督 馮小剛フォン・シャオガン
出演 章子怡チャン・ツィイー 葛優 呉彦祖 周迅

 原題は『夜宴』、映画の中で中心になるシーンがもともとのタイトル、だから女帝なら少なくともエンプレスだろう、なんて呟きは…まあ日本ではあまり認識されていない単語よりはインパクトのあるほうを、と言うことだったようですよ。
 さて、のっけから日本発祥の暗黒舞踏系列の、白いお面をつけた踊りが続きます。馮小剛監督と言えば中国の春節向け大衆映画の監督のはずですが(日本ではあまり受けないが中国では大受けの有名監督)、アートな作品にしたいわけね、などと思いつつ、いやしかしなんなんだあの章子怡の化粧は!全然美しく見えない。
 とりあえず『ハムレット』をベースにしてあるという知識だけあったのですが、つまりツィイーが演じるのはお妃ガートルードです、が、うるわしきダニエル・ウー(呉彦祖)演じるハムレットとは血がつながっていない、しかも年の差もあまりない元恋人同士であった設定。
 スプラッタなシーンが多すぎますな。目を背けたくなる。一つ一つのエピソードがしつこいぞ。つまり編集にメリハリがないぞ。そのせいかちょっと眠たいぞ…は私だけか?ツィイーが『ラヴァーズ十面埋伏』の中で踊りながら口ずさんでいた“北方有佳人”の詩の一説を兄を殺して王になった役の葛優が口にする、或いは『英雄ヒーロー』の刺客が始皇帝に向かって飛び掛るシーンを髣髴とさせるところがある、など、なんかあの監督とかあの監督とかわざと意識したんでしょ、遊んだんでしょ、みたいな箇所あり。
 女帝の貫禄は、もうひとつ。コン・リーだとぴったりだっただろうな。オフィーリアに相当する役の周迅、天性の女優だからここでもとてもいい。微妙な、小さな表情の変化でこちらに伝わる。葛優はこんな役も似合うんだと発見、そして中国で近頃人気の若手俳優と噂に聞いていた黄暁明クンにお初にお目にかかったが、彦祖とはまた違うタイプの綺麗な男です。今後に期待しましょう。あ、彦祖のアクション綺麗です、ABCアメリカ生まれの中国人らしくカンフーなどやってアイデンティティ問題に対応していた甲斐があるというもの。彦祖の声は多分吹き替え、本人はもう少しくぐもった声。
 で、最後のシーン、あれは?先帝の亡霊かなんかの問題であるようにパンフレットには示唆している人がいた・・・があれは何?誰
か正解をご存知なら教えて欲しいものです。

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comment(0) 2007.06.13 20:13

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