MOVIE+BOOK - 見知らぬ女からの手紙              

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見知らぬ女からの手紙

ファイル 114-1.jpg2004年 中国映画
監督 徐静蕾
出演 徐静蕾 姜文
 
 これはある種、男の夢、かもしれない、あるいは女の夢の極みかもしれない、けれど。

 1948年の北京、ある男のもとに見知らぬ女からの手紙が届く。いまその生を終えようとしている女からの愛の告白の手紙。
 1930年、少女の隣の家に男が引っ越してくる。洗練された姿に恋に落ちる少女。その後少女は田舎に転居するが、のちに北京女子師範に入学する。そして抗日デモに参加する学生たちの中に彼女の姿、それを取材するために現場に居合わせた男、鎮圧の騒ぎの中、彼女を目にとめていた男は彼女かっさらうように一緒に逃げて、家に連れて行き、一夜を共にする。その後しばらくは共に過ごすけれど、遊び人の男にとって彼女は行きずりの女にすぎない。“帰ったら連絡する”と言い残して出かけた男からの連絡は無かった。
 女は妊娠に気づき、彼に告げることなく遠方で一人出産する。
 1945年、女は高級娼婦になっている。男との間にできた息子に、男と同じような生活をさせるために。ある時束の間で会う男と女、男は彼女を覚えていない。彼女は男の誕生日に白い薔薇を送り続けている。

 その後、パーティーで出会う二人。彼女には特定の相手がいるのだが、男の誘いかけを断らない、断れない。彼はデジャビュのようなものを感じたようであっても何一つ彼女を覚えていない。朝、男の家を去る彼女と、男の家に昔からいる執事?雇われている男が、彼女に気づき驚愕の表情を見せる。

 手紙の内容は、女がただその男のために生きたこと、日々その男に似てきていた息子が病で亡くなったこと、この手紙が男のもとに届く時に自分も死んでいることを告げていた。

 私がこの欄でストーリーを紹介したのは、たぶん初めてのはずです。今から見ようとする人にこんなことをしてはいけない、のですが。

 原作はシュテファン・ツヴァイクの短編だそうです。徐静蕾は学生時代からこの作品を映画化したいと言っていたらしい。近く上映のジャッキー・チェン初のリアリズム映画(であるらしい)“新宿インシデント”の中で和服姿を見せるようですが、徐静蕾は日本人っぽい雰囲気だと前から思っています。

 救いは、無いのだけれど、ではそれを不幸と呼ぶか?とにかく、すごいお話でした。

 ところで姜文は他人の監督作品に口を出してほとんと自分の作品のようにしてしまうことでつとに有名です(いや、中国映画で共演した中井貴一と香川照之がそう言っています)。どのくらい口出しされたんでしょうか?徐静蕾はその時どうしたのか?ちょっと気になりました。

 

MOVIE
2009.04.19 19:44

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