http://www.kuuki-ningyo.com/index.html
監督 是枝裕和
撮影監督 リー・ビンビン
美術監督 種田陽平
出演 ペ・ドゥナ 板尾創路 ARATA
原作 業田 良家 「ゴーダ哲学堂空気人形」
私は 「心」を持ってしまいました 持ってはいけない 「心」を
と時折つぶやく、空気を入れて膨らませ、性の道具になるために作られた人形を、韓国女優ペ・ドゥナが演じる。
平たく言ってしまえばダッチワイフの彼女だから、映画が始まってしばらくのその持ち主板尾創路とのシーンは、おーい、こんな映画だと思ってた?ペ・ドゥナ!なえげつなさだけれど、ある種の韓国映画に近い匂いもあり。
彼女が人形から人間らしいものへと変わっていく経過の、ペ・ドゥナがいろいろ経験していく過程のまあなんと可愛いこと!おそらく特に演出せず、状況だけを与えて彼女の表情にまかせたものだと思われる。私はペ・ドゥナのファンの一人なのだが、こんなに可愛い子として映っている彼女を初めて見た。
なぜかレンタルビデオ屋さんの店員となって先輩のARATAに初歩から教えてもらい、少しずつ賢くなっていくのだけれど(中は空気なのになぜ?とか聞いても仕方が無いので)、ちょっとした勘違いが混じっていて、それが後々の結果へとつながる。
猥雑なものと、透明感に満ちた映像とが混在している。人形が人間になっても、やはり人魚姫の物語のように、なにかがずれていくので・・・。
悲惨なような、救いがあるような、その結末。
中に出てくる詩がある。「生命は」
http://ym212152646.fc2web.com/poem-h.y.html
覚えがある気がした。終わり近くのの字幕に吉野弘と出ていたので、本棚を探したら、『北入曽』昭和52年刊の詩集に入っていた。ずいぶん久しぶりに開き、いい詩集だと思う、かつての私はどの詩に魅かれてこれを買ったのだろう。