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ノルウェイの森

ファイル 165-1.jpghttp://www.norway-mori.com/index.html
監督 トラン・アン・ユン
出演 松山ケンイチ 菊池凛子

いつもその匂い立つような息苦しくもあるような色彩の映像を見せてくれるトラン・アン・ユン監督作品である。撮影が侯孝賢作品や先日DVDを見たばかりの『空気人形』の李屏賓である。
美しい映像であるのは、当たり前である。

もしも私に編集させてくれるなら、台詞やモノローグを9割がた削る。この作り方なら、映像詩のような作品に仕上げたほうが、良かったのではないだろうか。

高校生時代から始まるが、日本の高校生活には見えない。国籍がどこだってもいいけれど。
私がこの原作を読んだのは決して若過ぎない年齢のころだったが、精神的に不安定な時期だったから、ということもあるか、かなり深くこの作品にシンクロした記憶がある。
なんでYMOのオジサンたちが?笑ってしまった。

松山ケンイチ演じる主人公がニュートラルなところにいて、エキセントリックなほかの人たちがいる、という設計に見える。ひどく手前勝手な若者たちばかりに見えてしまう。緑サンとか。永沢サンとか。そのバックが、よく見えなくて。
早稲田っぽい大学だが(村上春樹が早稲田出身なのだから、おそらくそうなのだろう)永沢サンは慶応とか成城・成蹊あたりの大学生に見える。見た目にも普通の松山ケンイチに対して高良健吾や玉山鉄二のような超美男子を配したのか?玉山鉄二に昔の成城の学生みたいなヘアスタイルや服装をさせるとまことに美男子さが際立つ。わざとか?菊池凛子に対して水原希子というのもそれ?初演技という水原希子の台詞が下手過ぎて、ワガママお嬢にしか見えないのと、セックスシーンの時のレイコさんのスリップ姿の歩き方がものすごく下品に(或いは卑屈に)描かれているように感じたのを、なんとかしてほしかった。もう原作を覚えていないからもう一度読み返したいと思っているが、あのへんは救いになるべきシーンではないの?

だからね、中途半端に説明するよりもっともっと説明をはずして、わかりにくくてもいい、と、いう作品に、仕上げてくれたほうが良かったと、私は思います。
菊池凛子サンが、菊池百合子だった時代だったら良かっただろうな、とも。

MOVIE
2010.12.22 23:23

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