MOVIE+BOOK - 父の初七日              

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父の初七日

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プロデューサー・監督:ワン・ユーリン(王育麟)
原作・脚本・監督:エッセイ・リウ(劉梓潔)
 
出演 ワン・リーウェン(王莉雯) ウー・ポンフォン(呉朋奉) タイ・バオ(太保)

2009年台湾映画。
初七日 となっているが、台湾の(田舎の?)しきたりに従った結果、死後七日目に葬式をする、と言う話。
アジアのお葬式というのはそれぞれ趣が違って見るだけでも面白いものだ。この台湾のお葬式、道教の道士である叔父がしきっていくのだが、映画が始まってすぐ ハーバーナギラハーバーナギラ〜♫というBGMとともにその道士(いや、本人が歌っているわけではないが)が派手な衣装で登場、泣き女(韓国映画で見たことのあるそれとは随分な違い)、あの世にもたせる紙のお金を焼くシーンも、中華圏の映画ではよく見るものだが、紙でできた応接セット・自動車・家財道具・電化製品をも焼くのだ。灰を川に流して故人に贈る。
儒教のしきたりと道教のそれが絡んで誠に派手な賑やかな送りとなる。その金管バンドは何ですやろ?など。

突然の父の死に、台北から帰ってきた娘。女優らしくない、普通の娘、と思ったら、大学で脚本の勉強中、普段は裏方なのだそうだ。初めての映画出演という。
遺影がカラオケマイクを持った普段着姿なのを咎められた。スーツで花束を持った大きな写真を背中に背負ってバイクで走る娘。数年前、大学受験前の18歳の誕生日の父とのエピソードと重なる。

日本だって、家族の死に際しては、悲しみに浸る間もなく次々に手続きを踏み、目の前の用事をこなしていかなければならない。

あまりの派手さ、物珍しさについ吹き出しながら見ているけれど、どこの国でも同じ、ふとした隙間に染み込む亡き人への思い、悲しみ。

いい映画でしたよ。台湾で口コミで広がり、ロングランヒットとなったそうです。午前のガーデンズシネマで観客3人、もったいないな。

MOVIE
2012.06.26 13:28

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