監督 清水 宏
出演 上原謙 桑野通子
1936年、昭和11年作品。
録画しておいた、NHKBS山田洋次が選ぶ映画の一本。
バスの運転手・上原謙が、道を避けてくれた人に必ず「ありがとう」と声をかけていくからあだ名がありがとうさん。ありがとー と平版に言う。
まことにのんびりと語る客たち。その頃の伊豆の山の中ではこんなにゆっくりと喋っていたのか?演出か?とにかくゆーっくりと話す。うまいとも思われない。
客にはそれぞれ事情があることがその会話の端々からわかってくる。娘が都会に売られていくところだったり、いかにも水商売風の女がいたり、口ひげの傲慢な態度の男が、実は夢見た事業に失敗して娘を売ったことが知られたり。まあ、個人情報の保護されないことこの上ない話だ。
そして、バスに乗らない客たちもいる。ただ運転手に伝言を事付ける。なんだろうこの白い衣装の女たちは、と思ったら朝鮮人労働者で、そこの道路工事が終わったら、そこを歩くことなくまた次の現場に行くから、父親の墓に参って欲しいと頼む。
なーんとなく、運転手が、売られていく娘のことを気にかけている様子がうかがわれる。運転手は、中古のバスを買って独立するために金を貯めていることを、すぐ後ろの席の水商売女に語っている。
女が運転手に囁く。「ここを出て行って帰ってくる女はいないんだろ?その金で娘さんを自由にして嫁にしてやりなよ」
帰り道は、なにやらほのぼのなのでした。
シュールなまでにのどかな、おとぎ話なような、でもその時代が見える様々なことたち。あーびっくり、な、2・26事件の直後に公開されたというロードムービー、機会があったら見てください。
atcon 2013.01.07 12:52 edit
先週、BSが受信できる分波器(1,500円)を買ってしまいました。
今パソコンのテレビでBS観ています。
BSは映画プログラムがいっぱいですね。中毒になりそうで怖いですよ。
昨日は双子を連れて映画館で「フランケンウィニー」を観ました。ビジュアルがすごく良かった。しかも泣きました。大人だけが。
子どもにはちょっとわくわく感が薄かったかも。
今年は金城の新作映画あるのでしょうか?BSでも観れたりするのかしら。ちょっと楽しみです。