MOVIE+BOOK - 桃さんのしあわせ              

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桃さんのしあわせ

ファイル 238-1.jpghttp://taosan.net/
監督 アン・ホイ(許鞍華)
出演 ディニー・イップ アンディ・ラウ チン・ハイルー

久しぶりに広東語の香港映画を見た。あー懐かしい!
そしてまたなんと豪華キャストであることよ!香港映画ファンなら、お、わ、と声が出てしまうはず。

映画界でプロデューサーとして活動している独身男ロジャー、その家に少女の頃から60年メイドとして働いてきた桃さん。雇い主だった家族は世界のあちこちに移住して、残るはロジャーのみ。綺麗好き、料理上手の桃さんだ。
ある日、桃さんが脳梗塞で倒れる。不自由にはなったが、重症ではない桃さんは、老人ホームに入るという。ロジャーの知人(黄秋生)が経営しているホームに入る。個室とは言え、入口はカーテン、辛うじて最低限のプライバシーを守られた部屋。土地自体が狭い香港では、こんな感じなのだろうなあ。清潔好きの桃さんにはきびしい環境。

ロジャーはしばしば中国に出かける。事実、現在の香港映画界は、中国資本に頼っていて、ほとんど北京語であるという状況だ。あれ?ツイ・ハーク監督?こっちは?顔が見えたら、サモ・ハンだー!その二人が中国の映画関係出資者の前で喧嘩を始めるシーン、実は予算を出させる演技という設定。

ロジャーは忙しく飛び回る中でも桃さんを訪ねてくる。息子と思われるほどに。
桃さんも、次第にホームに慣れて何かと入居者に手を貸す。その桃さんにちょっとした金を借りに来るじいさんキンさん役は、チョン・プイ、これもヤクザな映画やいろいろ見かける昔からのスターさん。この、女好きのじいさんが、最後に泣かせる。

映画のプレミア上映に桃さんを伴って出かけるそのシーンには、本物の映画関係者がたくさん出ているらしい。あーそれがすぐわかるまでの香港映画通ではないのが残念。
医者の役でちょっと出てくるチャップマン・トーとか、大女優さんが本物だとか、は、わかるけど。

許鞍華監督は、日本人のお母さんを持ち、マギー・チャン主演で日本を訪れる自伝的な作品『客途秋恨』がある。私は『女人四十』という秀作でファンになった。
主役ノディニー・イップは、70年代〜80年代にかけて歌手だった人。

ところで、桃さんと書いてタオさんと読ませている。しかし広東語読みではトーさんになる。原題桃姐、映画の中でもトーチェ、と呼びかけていた。

ロジャーの立場も、桃さんの立場としても、今の私には身にしみる、かつての香港映画らしい香港映画でした。

MOVIE
2013.01.18 10:56

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