http://grandmaster.gaga.ne.jp/index.html
監督 王家衛
出演 梁朝偉 章子怡 張震 ソン・ヘギョ
激しい雨の中、襲ってくる男たち、一人立ち向かう詠春拳の名手、葉問。
時代は1930年代、カンフーの北の流派、八卦掌の宗師が引退を決意、南北の流派を統一する後継を探していた。一番弟子の馬三、葉問、宗師の娘・宮若梅も、名乗りを上げる。
と、ストーリーの基本だけおさえて、あとは映像に身を任せましょう。
トニー・レオンにカンフーをやらせようなんて暴挙に及ぶのは王家衛監督ぐらいだし、それを受けるのもまたトニーさんぐらいのものだろう。トニーは二度の骨折で撮影延期となり、雨の中の戦いの撮影に四五日間かけられた結果、気管支炎に、など、ほんとにまあ・・・。
トニーさんの薄い微笑みの引力は相変わらず。
カミソリと呼ばれる張震も見事。実際の八極拳の大会で優勝するまでのうでになったという。王家衛映画ではなにも珍しくないことだが、なんだか中途半端な扱いされてる気がするなあ、張震版アナザーストーリーも見たいものなのだが。
章子怡演じる若梅が主人公なんだっけ?という気のする後半の展開なので、ファンのおじさんたちはお喜びだろう。それも、編集でかなり省略されているという。
そもそも、例によって、香港公開バージョンとだいぶ編集が違うらしい。香港版見たい!・・・その前に、実は私は映像に身を任せきれず、広東語に対して北京語で返事をしているといった会話をなんとか聞き取ろうとしてついて行けなかったり、張震が、同じウォン・カーウァイ監督『ブエノスアイレス』に一瞬出てきたんだよなあ、久しぶりだったんだよなあ、と思い出したり、なにかと気が散ってしまったのであり、映画館でもう一度見よう。
日本軍に財産を没収された葉問が、詠春拳を日本人には教えるなと言ったという。その日本軍兵隊だが、ニヤニヤ笑って写真に写る兵隊さんはいねえよ、と心でつぶやいた。