MOVIE+BOOK - 役に立たない日々              

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役に立たない日々

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著者  佐野洋子
出版社 朝日新聞出版

 分厚い本を長い日々かけて読んでるし、積んどいてる本は5.6冊あるし、しばらく本を買わない、つもりだった。
 近所の○タヤで見かけたのよ。この人の本が二冊並んでいて、どっちも私に色目を使ったけど振り切った、けど、風邪ひいても買い物に出なきゃならないし、お茶碗を洗わなきゃならないし、あーやるべきことはほっといてあの本読もう、風邪だから、私は私を甘やかす、と決めましたのさ。

 役に立たない?2003年秋から2008年冬までの日々のエッセイ、まあどこを開いても面白い。まずおいしそう。レバーペーストね、玉ねぎたくさん炒めるなんてカレーの時にもしなくなっちゃったけれど、玉ねぎたくさん炒めて甘みを出してブランデー垂らしたレバーペーストを作ってみたくなった。でその作り方をどんな人から聞いたか、という話なのだ。教えない。興味あったら読んでね。

 「百万回生きた猫」で有名な佐野洋子さんは2度離婚しているそうだが、二度目の結婚・離婚の相手は谷川俊太郎氏だ。『からだ』とか『女に』とか、その時期佐野さんの挿絵で詩集が編まれている。わらいながらできるものだったのね と女がいう一節がそのどこかにあった。とても印象的だったのはそういうパートナーの言葉が詩集にそのまま掬われたのだな、と思ったからで、それって、どんなことだろう、詩人のパートナーであることって、と、ちょっと引っかかったことでもあった。

 そりゃ離婚するわ、と思った。この本を読むと、佐野洋子さんがどんなに生まれながらの詩人谷川俊太郎と異質な人かと思う。そしてそんな二人がある時期惹かれあったのだ。

 そんな話じゃなくて、この本。韓流にはまりまくった話もある。アルツハイマーじゃないかと思って検査に行った話もある。結果、記憶力は抜群だったらしい。でも検査に行った日に編集者と打ち合わせの約束があったことはすっかり忘れていたのだ。いかなる内容の仕事であったかも。
 
 そして。2008年冬、余命2年を宣告されている。それを聞いた帰りに近所のジャガーの代理店に行ってイングリッシュグリーンのジャガーを指さして、それください、と言ってかったのだそうだ。
 あーなんとかっこいい死に向かい方であろう。そしてそのジャガーは買って一週間でぼこぼこになったそうだ。あーなんと素敵な、生き方だろう。
 ただ、ホスピスとか、死ぬまでにかかる費用を自ら医者に聞いたら一千万と返事が戻ってきたそうだ。うーん・・・。
 そんなこんなで私は昨日乳がん子宮がん検診に行ってきました。検診車でおっぱい横からはさむのね、知らなかった。
 

BOOK
comment(2) 2008.12.03 21:58

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atcon 2008.12.07 15:31 edit

私も読んでみようと今○タヤに行ったけど、置いてありませんでした。ウチの近所の○タヤは、本棚がどんどんコミックに浸食されていっています。
今度オプシアにでも行ってみなきゃね。

あある 2008.12.09 23:09 edit

たまにはいい本が置いてあるなあと思ったもんでした。ほんとどんどん・・・。もう一冊の佐野洋子さんも買ったから、また書きます。その前にもう一冊読み上げてるんだけど。