著者 佐藤多佳子
新潮文庫
小説のほうです。映画でなく。
この作家の“一瞬の風になれ”は(それ以外も)未読。友人から借りた数冊から、ちょっとめくった感じがきっと今の私はこれだ、と思って読み始めました。
結論、まことに全く実に、うまい!気持ちよくうるうるして読了。見そびれた映画情報で国分太一が落語家役ということだけは知っていた、けれど原作の落語家今昔亭三つ葉に国分太一のイメージはない。
対人関係を要領よく結べない、いわゆる不器用な人間が3人、若い女性、むくつけきもと野球選手、小学生の男の子、が、二つ目の落語家に落語を習うことになる。そもそもその落語家にしてからが・・・。
自分にちょっと自信がない、なにかしらわが身を否定的に見てしまう、ような(時期があった)タイプの人には必読の書です。『本の雑誌』1997年度ベスト1だったそうです。
で、映画のDVD借りてきました。ん?テニス青年綾丸良は出てこないのかー・・・。
追記 映画「しゃべれどもしゃべれども」DVD鑑賞。http://www.shaberedomo.com/
これはこれで、なかなかいい作品です。映画としてわかりやすくするためにはこんな脚本になるわけね、と、それはそれで納得できます。ちょっと、香里奈がまだこの時点では女優として無理がありますな。猫のような、という原作の設定には合ってますが。内面の屈折が見えなくて、ただの仏頂面の若い女な感じがどうも。関西弁少年が大変よろしい。国分君もなかなか悪くない。本物の寄席に行きたくなります。
ちょっとやっぱり、屈折度には欠けるけどね。
atcon 2009.01.31 16:35 edit
映画の方が国分太一主演ときいていたので、本にもいまいち触手が伸びないでいたのですが。原作の方、面白そうですね。私の”ブックオフ買物リスト”に入れておきます。