著者 幸田文
編者 青木玉
出版者 平凡社
はるか昔、高校の図書館に“幸田文全集”という渋い布表紙の全集があり、愛読したものだった。ハタキの使い方から父・幸田露伴の指導を受けて、正しく生活する姿を美しいものと思いながらもまあ見事にかけ離れた人生送ってます・・・。
幸田文さんの娘であり自身もエッセイストである青木玉さんが、台所帖・しつけ帖と三冊テーマ別にまとめたものの中から、台所帖とどちらを買おうかと思案したのだけれど、きもの帖を買いました。
一生を着物で通した幸田文さんの、子供のころからの身につける者に対するこだわり、またそのことを鮮明に記憶していることに、まず驚きます。私は着物を見ることは好きだし、できれば着たいと思うけれども、生活形態が・・・というのは言い訳になりますが。
着物のことをよく知っている人が読むともっと深く理解や同感が生まれるのでしょう。知らなくても、この生き方、観察力はみごとです。