MOVIE+BOOK - 楽園              

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楽園

著者 宮部みゆき
ファイル 143-1.jpg版社 文藝春秋

 あの『模倣犯』の続編、というより、文庫版の解説にもあるけどスピンオフ。“ピース”については今は強い拘禁症状<長期にわたる刑務所や収容所などでの拘束によりおこる鬱等の精神症状>を示しているらしいという情報のみ。
 その事件の後遺症からようやく回復してまたライターとして活動を始めた前畑滋子のもとに、「亡くなった息子が超能力をもっていたのではないか」という中年女性が訪ねてくる。それを確かめてほしい、と。

 数年前に友人から借りて読んだ『模倣犯』は、その後味の悪さのせいもあってかあまり頭の中に残っていない。前畑滋子という名前も忘れていた。が、これはもう一気に読み進んだ。人の死からの再生、家族の再構築、というようなテーマが今の私に近しいものだったからでもあるだろう。それだけでなく、サイコメトラー(のようなものが苦手な人には邪魔かも)、姉妹、様々な要素を取り込みながらそのストーリーテリングの巧みなこと・・・てのは宮部みゆきサンに対してわざわざ言うことじゃない、ですね。ただ私の好みから言うと、面白いんだけど割とすぐ忘れる作品もある作家さんなのでして。

 実はこの「楽園」も友人Mから借りて読んだのだけど、ちょっとこれは自分の本棚にも置きたい気がします。

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comment(2) 2010.06.08 19:53

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atcon 2010.06.09 23:58 edit

宮部みゆきさんは、ホントに読者を夢中にさせるストーリーテラー。私もほとんどの作品を読んでいますが、「面白いんだけど割とすぐ忘れる作品もある作家さん」というところも同感です。
『模倣犯』は単行本をプレゼントされて読んで、私には宮部みゆき作品の中で一番の面白さでした。で、ついつい映画「模倣犯」(スマップ中居君主演のやつです)もDVDを観てしまいましたが、世の中には原作を超える映画はほとんどないと思ったのでした。
「楽園」はまだ読んでません。面白そうですね。文庫がブックオフに出るのを待ちます。

あある 2010.06.12 12:58 edit

ピースのメージは、えなりかずき?って感じだったしね。なんで仲居くん?と思ったものだった。