著者 キャロル・オコンネル
創元推理文庫
「愛おしい骨」のキャロル・オコンネルの、1999年に翻訳が出た作品。
「愛おしい骨」とよく似た性格のもの、主人公の刑事ルージュと、「愛おしい・・・」のオーレンの違いは?と言いたくなるような。・・・が。
近しい者を突然に失う、本作の場合は、一卵性双生児(珍しいことに男女の)の片割れを15年前に殺されるという形で経験したルージュ。犯人は捕まり、監獄の中にいる。
クリスマスに近いある日、二人の少女が失踪、天才児ばかりを教育している学園の子供たち、グウェンとサディー。サディーはホラーマニアだ。
顔に傷があり、深いスリットのスカートを穿いた女が、ルージュの前に現れる。小児性愛の研究者。
監禁された少女たちは、地下室からの脱出のために力を合わせていた。
まとめて読む時間をとれなくて、ちびちびと読んでいたのだが、厚い文庫本の600ページを過ぎて、あやややや!そーいうこと?うわうわ・・・。
で、読み終えてからまたもう一回読みなおした。あちこちに、確かに伏線はあるのだ・・・ん?と思ったな、途中でも。
帰る ではなく、還る なんだよね、このタイトルが暗示していることに、読み終えてから気づく。
面白いです。「愛おしい骨」でも、ちょっと千里眼的な人間が出てきたりしましたが、本作もまたファンタジーというか、まあクリスマスの奇蹟か。だまされてください。