MOVIE+BOOK - かもめ食堂              

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かもめ食堂

ファイル 180-1.jpg著者 群ようこ
幻冬舎文庫

映画『かもめ食堂』は、大好きな映画だった。私にとってその年の日本映画第一位の作品だったはず。この欄でも紹介済み。
その原作のほうです。

ヘルシンキの街中でかもめ食堂(ruokala lokki)と言う食堂をやっている日本人の女の子(フィンランド人にはそう見えるが実は38才)サチエがいて、だーれも客が入っていない、でもサチエはいつも皿や店をみがいている。ある日、日本オタクの男の子がやってきて常連となる。
その男の子がガッチャマンの歌詞を知りたいという。
映画を見ながら、誰だ、誰だ、誰だー空の彼方に…なんだっけ?なんだっけ?いつも夜中の再放送を見てたのにい、と思ったものだ。
で、まあ偶然日本人らしい旅行客に話しかけ、ガッチャマンの歌知ってますか?で、知っていたのがミドリさんで、その後たまたま店に入ってきたマサコさんがいて、その二人も店を手伝うようになり、ただウインドウの外から眺めていた地元の人々も次第に食堂の客になっていく。

なんというほども無いが絶妙におかしい運びはもちろん映画と同じなのだが、なーんとそうだったのか、という、背景が、本を読むとわかるのだよ。なんと、サチエさんは日本で宝くじをあてて、それでヘルシンキで食堂をやれる資金があったのさ。だから客がちっとも入らなくても地道に店や食器を磨いて食材を仕入れて暮らしていけたわけだ。またなんでヘルシンキ?なぜに食堂?という経緯も明かされている。

映画を見ているのに、私はあちこちで吹き出しました。父親にフィンランド語の勉強に行くと言う、学校の名前を聞かれて口走った名前が“国立ムーミンフィンランド語専門学校”っておいおい!

東日本大地震、原発問題、と、テレビやNetに集中していた時期をちょっと過ぎて、しばしゆっくりしたかった時に、この本を手にしました。若過ぎない年頃の、少し疲れた方の骨休めに一服いかが?

ところで、映画のサチエさんは小林聡美が演じていますが、そしてマサコさんはもたいまさこ、その二人にあと室井滋で『やっぱり猫が好き』をやっていたのですよね、今となっては室井滋は少し違う方向に行っているように思う、そのように、あの番組の作者だった三谷サンと、今では向かうものが違ってしまった、感じが分かるような気がする。って大きなお世話ですね。

BOOK
comment(0) 2011.05.25 22:08

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