MOVIE+BOOK - 月魚              

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月魚

ファイル 193-1.jpg著者 三浦しをん
角川文庫

古書店「無窮堂」の店主、本田真志喜24歳、着流しの着物姿。やはり古書業界に身を置く瀬名崎太一25歳。
読み始めて少しで、ん?時代設定は?と、確かめた。匂ってくるものが昭和初期の雰囲気でセピア色の映像を思わせるけれど、設定は現代である。瀬名崎は、お年寄りの原宿とげぬき地蔵土産の仏像模様のシャツなど着ている。

とても仲の良かった男の子二人が、ある事件をきっかけに、間に一枚見えない壁を作ってしまったような関係になっている。とは言え、成人した今も、何かの用があればやってきて、泊っていく瀬名崎である。今回の用は、M県に亡くなった人の蔵書の買い付けに行く、というものだ。

祖父、父、子・・・親子のディスコミュニケーションがあって、そして。

私は、ここに流れているものが好きです。とても。私自身が本さえ読んでいれば幸せ、といった子供だったことなど思い出したりもします。

で、微妙に巧妙にぼかされつつ引っかかるぞおい!この二人、心がつながってるのみならず、のみならずなんだな?その、子供のころはたいっちゃんと呼んでいたのに今は瀬名崎と読んでいる、というくだり、“呼んでるだろ、名前で”って・・・ところとか。

水底の魚・水に沈んだ私の村・名前のないもの の三篇収録。タイトルをなんと読むのだろう。つきうお げつぎょ 英語タイトルのままFish on the Moon・・・この古書店の庭に池があって、主が住んでいるのですよ。

BOOK
comment(0) 2011.08.25 08:00

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