MOVIE+BOOK - ブギウギ              

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ブギウギ

ファイル 243-1.jpg著者 坂東眞砂子
角川文庫

敗戦前・敗戦後 と前後編に分かれている。戦前・戦後ではない。
配線間近の箱根、ここにドイツ人がたくさんいたというのは史実?とにかく箱根のホテルに滞在していた(その時点ですでにドイツは無条件降伏している)ドイ軍潜水艦長が水死体で発見される。発見したのは女中のリツ。
その調査の通訳である法城という男が、自殺とされた事件を疑って調査を始める。ナチ、捕虜収容所、また日本軍の捕虜に対する人体実験、純血という考え方、様々な問題を挟みながら、マイクロフィルムが絡む殺人ミステリーが解かれていくのだが。

主役は、実は、箱根の旅館の女中だった安西リツと、その旅館の女将、そしてハンブルグ日報通信員のオルガ、この女たちのそれぞれの生き方だ。

ミステリーとしては、不完全燃焼な感もあるけど一気に読ませる。そして、できればもう少し、あれあれ?という間に敗戦後ジャズ歌手へと変身を遂げるらしいリツを描いて欲しかったなあ。

この作家が好きな人には物足りないのだろうが、ちょっと苦手で『死国』を読んだ覚えはあるがストーリーを覚えていない、『魔女』を最初の方で読みやめた私には、面白かった。

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comment(0) 2013.03.20 15:46

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