旅に出たくなった。なぜか。理由などない。
というのがこの随筆集の始まり。我輩ハ猫デアル。名前ハマダ無イ。の後はどう続くんだっけ?と、連想を呼び起こされ。で、そのページの後ろから2行目に、友部正人という歌手に、「どうして旅に出なかったんだ?坊や」という歌がある、という文章がでてくる・・・買っちゃいますよ・・・人によっては。ルー・リードって名前も出てきますよ、あとのほうに。
町田康ってお好きですか?私は、この人が才能豊かであることは十分わかっているけれどこの人の文体はちょっと苦手(つまり饒舌な明治の文豪が貧乏長屋に住んでるみたいな感じの、あ、いつもそうなんだかは知りません、ごめんなさい)、なんだけど買っちゃいましたよ。
飄然と旅に出る、歌手であり作家である町田康が、ただし日帰りの。それぞれの旅の途中に気になった物こだわった小さな事件について語っている、そういうことなんですが。
新橋にポン・ヌッフという屋号の立ち食いそばやがあるそうです。フランス語のカケラがわかると、そりゃまあ新橋なんだけどそりゃそうだけど・・・まあだからそんなことに引っかかる方にお勧めしましょう。
「栄光のオランダ・フランドル展」を見に行くんだけど、別に興味があったわけではなく、なにふらんどるんじゃ、こらあ、みたいな状態である、のだそうです。
そんなこんなのたびに私はケケケと笑い崩れつつ、ちびちび読みました。
で、読み終わって最後に知ったのが、婦人公論に連載された物だと言うことです・・・婦人公論の読者って町田町蔵のパンクロックを聴いて育った人たち?そんなことも無さそうだよね・・・まさか主婦をターゲットにした読み物だなんて。町蔵はいい、と、吉本ばななさんの昔のエッセーに時々出てきて、どんな人、どんな歌だろうとかつて気になってたけれど。
いや、御紹介しといてなんだけど、これ、読む気になってもらえました?表紙を一枚はずすと彼自身の写真を含めてたくさんの写真が出てきますよ。知らない方のためにお伝えしますが、町田康はいい顔してますよ。





