MOVIE+BOOK - RURIKO              

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RURIKO

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著者 林眞理子
出版社角川書店

 浅丘ルリ子さんはすばらしい女優さんだ。
 私は日活映画の中では小林旭の国籍不明荒唐無稽物が好きだ(リアルタイムで見たんじゃないよ、私の時代は日活ニューアクション→にっかつロマンポルノ、その中にも名作があったんだよ)。
 私はミーハーだ。

 だから是非読みたいと思った(ルリ子さんと小林旭は恋人だったらしいと言う程度の知識はあったので)。

 まずは戦前の満州、ルリ子の父と甘粕正彦との交流の話から始まる。満映理事長だった甘粕が、この子を将来女優に、と希望したということになっている。(甘粕について詳しく知りたい方こちらへhttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%98%E7%B2%95%E6%AD%A3%E5%BD%A6

 戦後、中学生の浅井信子ちゃんはオーディションに合格してその役名と同じ浅丘ルリ子と言う芸名を持つ女優になる。・・・そこからの話が、よくこんなことまで書かせた、と思うのだ。共演した小林旭と恋人だったけれど実は石原裕次郎に片思いしていた、とか。そのあとの妻子ある監督との恋は、まあ有名な話だろう。ん?これは誰のこと?とか、え?あのTVドラマの!とか、実名もしくはかなり推測できる形でルリ子さんを巡る男たちが出てくる。現在の恋人も。いいのか?
 石坂浩二さんとの結婚は長かったけれど、実質生活した時間は短いようだ。・・・石坂ファンには申し訳ないが、この教養ある薀蓄男が、なーにやらウザッタイ生き物に見えてしまう。
 
 TVで石原裕次郎主演作の映画を見ていて、ルリ子さんは若いときからうまい女優さんだったんだなあ、と思ったことがある。石原裕次郎と言う、その時代には類を見ない存在であっただろうスターさんは、ルリ子さんのようなうまい女優さんを配することで生きていたんだなあと、しみじみ思ったのが去年だか一昨年だかのことだった。

 この表紙の、一番美しかったであろう頃のルリ子さんは(秋山庄太郎撮影)、自身が宝石のようだしたくさん宝石類を持っていて当然だ。が、ガラスの輝きが好きなのだという。そういえばスワロフスキーのビーズをたくさんつないでアクセサリーを作っている話をしていたし、テレビドラマの中でも実際それをつけて出ていた。
 本人が類まれな天性の女優として輝いている人は、それでいいのだ。あの37キロあるかないかの体で、芯の強い、男前な女性。

 この本の帯、私が持っている版には“この小説に一番驚き、一番感動したのは私かもしれません”というルリ子さんの言葉が書いてある。しかし最初に出たものでは“きれいな女はこう生きろ!”となっていたらしい。どう思いますか?

 

BOOK
comment(1) 2008.07.29 08:03

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atcon 2008.07.29 13:05 edit

ほんとにこの写真、美しいですねえ。これこそ女優だっていう輝きがありますよ。
私はたぶん、小林旭の日活アクション映画をリアルタイムで観ています。親に連れられて訳も分からず見た記憶があります。無国籍な雰囲気が子供心にかっこいいって思ったらしく、私が最初に買ってもらったレコード、じゃなくソノシートは「ギターを抱いた渡り鳥」でした。今でもこの歌が好きです。ちなみに小林旭より、エースのジョーがアイシュウ漂っていてかっこ良かったなあ。。。