MOVIE+BOOK - 奇縁まんだら              

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奇縁まんだら

ファイル 111-1.jpg著者 瀬戸内寂聴   画 横尾忠則
出版社 日本経済新聞出版社

 作家瀬戸内寂聴さんがその人生に出会った人々とのエピソード、それに添えて横尾忠則による似顔絵が随所にある。

 ミーハーですからね、私。島崎藤村が際立って美男であった・・・へーえ!谷崎潤一郎の妻だった千代さんが谷崎と別れて佐藤春夫と結婚した、しかもその時に3人の連名で新聞に発表したという話は有名だが、実はその裏にもう一人の男が・・・おお!ネタ、ネナイ、ネタ、と、宇野千代さんは言った、ってそれは寿司の話じゃありませんよ、かかわりのあった男たちの名前を挙げた時におっしゃったお言葉。トランプをバラリと広げたようですなあ、豪華なお話ですなあ。
と、驚きながら笑いながら読み進むうちに、圧倒という言葉がぐわりと襲いかかっている。

 表現者として生まれ、生きる人の凄さ。ほとんどは作家(文士)だが、文章も書いている画家岡本太郎(瀬戸内晴美さんに向って小説かなんかやめて俺を手伝え、と、大マジで言った!)、作家でもあった社会主義者荒畑寒村(90歳の時に40歳の女性に恋をした!)などの人もいる。

 女流作家平林たい子さんを含め、ほとんどの人の恋愛(結婚している最中の)について触れられているのだが、あーーー作家であることは本当に!!!私は幸か不幸か一般人に生まれたが、これってやっぱり幸よね、非凡であることとはかくも非凡であるものなのね(変な日本語ですみません)。あのタラコ唇の松本清張氏にまことに麗しく心持の優しい女性と、見目麗しいがまことに悪縁なる女性がいた、が、そのおかげで悪女が書けるようになったと内心感謝していた、だって。
 女誑しの魅力を体中から発散させていたという檀一雄・・・ああどんなんですやろ?

 そんな人たちにも家族がいたと思うと、大変ですやろ?そっち側の身にもなってみなはれ・・・。

 日経新聞に連載中の第一弾ということなので、ぜひ寂聴さんにはまだまだ長生きしていただいて、昭和の文士たちのことを聞かせていただきたいものであります。

BOOK
2009.03.02 12:01

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