著者 柴田よしき
新潮文庫
すみませんね、また柴田よしきです。別の本を探していたんだけどね、近所の○タヤに先日あったものがその日には無くて。これが目について。
RIKOシリーズに出てくる麻生の若き日々、事件とどんなふうに係わったか、というような短編集。たとえば最初の事件では、80年代の下町の路地に飾られている植木鉢が次々壊される、三輪車が壊される、という些細な事件の中にひとつ異質なものを感じた麻生。
麻生龍太郎は、剣道を続けたくて警察という職場を選んだ男で、ごく平凡な普通の男であると、自分で認識している、けれどね、これが天性の刑事というか、アンテナを備えた男なんだなあ。平凡という割には、真正のゲイではないけれど同僚の(男の)恋人がいたりするのだが。
地味だけどカッコイイ男だなあ、さすがあの山内錬と・・・になるだけの資質は若い時からあったのね。・・・というか、誠実で真面目で、のちに石橋の龍と呼ばれる男の中に、何か異星人のような感覚があっただろう、違和感のようなものが。
RIKOや山内を知らなくても読める内容になっていますよ、まだバブルで土地高騰する前の時代のお話。
『私立探偵・麻生龍太郎』という、警察を辞めた後の話も(角川から)出ているので、そのうちに。