MOVIE+BOOK - 蒼穹の昴              

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蒼穹の昴

ファイル 146-1.jpg著者 浅田次郎
出版社 講談社

再読。
1996年刊、その年読んだ本のベスト1に挙げた記憶がある。小野不由美の『図南の翼』とともに、周りの人々にお勧めしたものだった。

清朝末期、極貧の暮らしの中、李春雲(春児)は自らの身体の一部を切り取る行為によって宦官への道に進む。西太后の側近となっていく。春雲の兄と親しかった梁文秀は、科挙にトップで合格し、光緒帝を支える高級官僚となる。その二人を軸に、歴史の大きな変換の流れが描かれる。

ああやっぱり面白い。実在の人物と架空の人物が入り混じり、中でも狂言回しよろしく出現しては重要な役割を演じる韃靼の老星占い師白太太(パイタイタイ)!

浅田次郎はこの作品でこの年の直木賞にノミネートされた。もしもこの作品で直木賞をとっていたら、彼の作風の傾向は変わっていただろうか?結局、次の年に『鉄道員(ぽっぽや)』で受賞するのだが。蒼穹の昴でも泣かせ方は心得たもの、要所要所でうるうるさせられる。が…個人的にはこっちで賞をとって欲しかった。

NHKハイビジョンでドラマ化されたが、どうにも田中裕子が中国語吹き替えで演じる西太后が中国人には見えず、ストーリーは忘れている、どうやらずいぶん脚色されている、とあって、どうせいずれ再放映される、その前に読みなおそう、と思ったのであります。李春雲役の余少群には興味あったんだけどね。映画 『花の生涯 梅蘭芳』で若き梅蘭芳を演じた役者。

『珍妃の井戸』まで再読し、その後、買ったまま積んである『中原の虹』へと読み進めることといたしましょう。

BOOK
2010.08.04 20:51

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