MOVIE+BOOK - 陋巷に在り              

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陋巷に在り

ファイル 155-1.jpg著者 酒見賢一
新潮文庫


単行本には無かったはず、文庫版の帯にサイキック孔子伝!まあそうなんだけど、むしろ主人公であり、陋巷=むさくるしい汚い町中に在るのはその弟子、顔回。サイキックスペクタクル大巨編です。儒とは、そもそも礼なかでも葬礼を正しく行うことであり、死者・生者・霊界を秩序ある形に仲介する者たちの集団を儒者と呼んだ、と。

すごいよ。論語に何の興味も無くても大丈夫、荒唐無稽ファンタジー活劇がお好きなら、読んでご損はありません。それぞれの巻のタイトルの漢字に、白川静による深い説明を添えてあるので、漢字好きにもお勧めできます。もちろん、信じられないようなたくさんの古代中国の資料を読みこんだ上でのサイキックファンタジーなので、歴史に詳しい方でも興味持てるはず。

子蓉姐さんの媚の魔力を含め、もしも映像にできるものなら…無理か。

全13巻。我が家の第一巻(儒の巻)を見てみたら1992年刊。なぜに2010年に読み終えたか?途中で何巻まで読んだかわからなくなって休憩しましたのさ、雑誌連載してたから次の単行本出るのに時間かかって。このたび、もう前の話覚えてないよ、と思いながら12巻から続けたところ、この12巻がまた素晴らしくスペクタクルにサイキックな戦いでありました。いや、ただのファンタジーではありません、人間の心理に関心のある方にもお楽しみいただけるかと。

酒見賢一を初めて読んだのは『後宮小説』、のちに『雲のように風のように』というタイトルでアニメになったのをご記憶にありませんかな?

この作家は、住宅設備会社勤務の傍ら・・・だって、この膨大な資料を必要としたであろうような小説を書きながら?

BOOK
2010.10.19 11:15

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