MOVIE+BOOK - 娚(おとこ)の一生              

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娚(おとこ)の一生

ファイル 163-1.jpg著者 西 炯子
出版社 小学館 フラワーコミックス

このマンガ家さんが鹿児島出身と聞いて読んでみようと思った。

染色家だった祖母の葬儀のシーンから始まる。大企業に勤めている女性・堂園つぐみが、長い休暇をとって帰郷し、祖母宅で暮らしていたら、入院していた祖母が亡くなったのだ。
そこへ、とぼけた表情の中年もしくは初老の男性が小川で顔を洗うが、メガネをかけたままだったことに気づく、という、なんじゃ?なシーンが続いて。

作者のつぶやきのコーナーに、篤姫の生家のすぐ近くに住んでいた、とあるし、海辺の設定なので指宿線界隈だと思い込んで読んでいたが。とぼけた男・海江田は大学教授で、角島(カドシマ)大学のある市まで新幹線で30分・・・鶴水市、ってそうか出水ね。そのあたりの古い田舎家、男はその祖母から離れの鍵を預かっていたのであって、学生時代、20歳くらい年上の祖母に恋していた。

数年前、50歳は中年か初老か?という疑問を周りの50歳前後の男女に投げかけたところ、大概の男は“中年だ”と主張し、大概の女性は“中年とはいえん、初老か・・・”であったが。まあ30代半ばの有能な企業人である女性の目からは、初老寄りに見えるだろうこの海江田教授が、ええ男やのう・・・こんなんおらんやろ、おらんんなあ、パンいちでうろちょろしててもさあ・・・。
女は、まあ不倫に傷ついてこんな田舎で休暇をとっているわけだが、いるよね、なんか何がよろしくてそういうおとこばっかえらんでるかなあ、そこそこイイ女なのに、って人。そこそこイイ女のくせに無駄に自信がない女。で。

ちらほら遊びが放り込まれていて、小さな書き込み♪京都~大原さん全員~ が一瞬何のことかわからなくて。おーはらさんぜんいん。

鹿児島ゆかりの名字が多く出てくるから、海江田さんという小太りのオジサンを思い出したりしてちょっと邪魔はされるのであるけれど、そしてそんな育ちだったらもっとあからさまに弱い、微妙な屈折が見えるはずや、と思ったりはするが、いいんです、大人の女にはこんな夢の男が。少女マンガに分類されているけど。

「このマンガを読め!2010」で第5位。なお、祖母の家は作家の実際の祖母の家そのままだそう。

BOOK
2010.12.21 09:14

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