著者 片桐はいり
幻冬舎文庫
映画『かもめ食堂』を見た人にお薦めします。そして、この本を先に読んだ人は必ず映画かもめ食堂を観たくなるでしょう。
あのおじさん『過去のない男』http://www.eurospace.co.jp/kako/だったのかあ、気付かなかった。アキ・カウリスマキ監督の映画では人々が妙に無表情で恵まれなくて、どんな悲惨な展開に、と思いきや、淡々と可笑しくホッとする結末に落ち着くのだが、どうやらそもそもフィンランド人はなかなか無表情に見えるものらしい。
そして、ムーミンのアニメの景色って、現実であるらしい。
あの四角い顔の女優さん片桐はいりが、『かもめ食堂』出演のためフィンランドに出張(と本人が言っている)、そこで経験したことのあれこれ、なのだが、映画かもめ食堂を見たとき同様、フィンランドに行きたい気分にさせる。トナカイ肉を食えるか?不安だ。フランス料理でジビエという時よりもっと野趣に溢れた味なような気がする。それにジャムのようなものをかけて食えるか?うむ。
ともかく、人がいい率が高い、ことは確かなことのようだ。
この本を読んですぐに、NHKBSでかもめ食堂をまた見た。172センチと長身の片桐はいりサンは、あの国では特に目立たない気がする。ほとんど溶け込んでいた。ちょっと猫背でさえなければ。
彼女が初めて書いたエッセイだそうだが、うまい。マトカはフィンランド語で旅の意味とのこと。
母の病室で読むシリーズその2は、状況にふさわしい本でした。